sumikaのLoversです。
楽しそうなこの曲。
では、いきましょう。
キー:Bメジャーです。
(#5つ)
サビで転調しています。
キー:Dメジャー
(#2つ)
イントロ

イントロ全体:
イントロのコード進行は、カノン進行が基本となっています。
ベースラインが1音ずつ下降していくVer.です。
カノン進行ベースライン下降Ver.:
Ⅰ→Ⅶ→Ⅵm→Ⅴ→Ⅳ→Ⅲm→Ⅱm→Ⅲm→Ⅳ→Ⅴ
イメージとしては下がってから、上がるって感じですね。
このパターンは良く使用されるので、覚えておいて損はないと思います。
カノン進行についてはこちらで解説しています。
定番コード進行:カノン進行
Aメロ

Aメロ全体:
これもカノン進行が基本となっています。
ただ、少し工夫がされています。(リハモされている。)
1~2小節目:B→D#7→G#m7
D#7コード。これはセカンダリードミナントです。
次のG#m7へのドミナントモーション。
つまり、D#7→G#m7(Ⅴ7―Ⅰm7)です。
9小節目:B7
B7コード。これは「次の小節にいくぜっ」っていう感じのコードです。
Ⅴ7コードは不安定でどこかに着地したい特性を強く持っています。
次のパートの前のコードとして多用されます。
※実際に、Bメロの最初のコードはEコードです。
Bメロ

2小節目:Em7
ここのEm7コードは、サブドミナントマイナーと呼ばれるものです。
Ⅳコードは、Ⅳmコードにすると切ない感じが演出できます。
3小節目:D#m7→D#7/G
これらのコードは次のG#m7へのドミナントモーションです。
D#7/Gにするのは2つの意味があります。
① 分数コードによる半音下からのアプローチ
#Ⅴ→Ⅵmという風に半音ずつ上昇する進行になります。
コードのつながりがスムーズになります。
②コード感の強調
D#7の3rdの音(G音)を、ベースに持ってくることによってD#7コード感を強調するためです。コードの3rdの音は、コードを特徴付けるうえで最も重要な音です。
①と②のダブルの効果で、次のG#m7に強く解決するようにしています。
サビ

サビ全体:
ここでキー:Dメジャーに転調しています。
ここの転調は2つのステップで行われています。
①平行調の関係:Bメジャー⇔Dマイナー
②同じ音のキー:Dマイナー⇒Dメジャー
3度上のキーの転調です。よく使用される手法です。
1小節目:D→F#7
F#7です。Ⅲ7→Ⅵm7のドミナントモーションです。
Aメロでも使用されていました。
2小節目:Bm7→Am7
ここのAm7(Ⅴm7)です。なぜっ!なぜマイナーなんだ?
ここは、次のコードのGへのツー・ファイブ・ワン進行の名残です。
本来の進行:Am7 → D7 → G (Ⅱm7→Ⅴ7→Ⅰ進行)
今回の進行:Am7 → → G (間のD7が省略される)
間のD7コードが省略されているんですよ。
これをドミナントマイナといいます。この後のコードは必ずⅣコードに解決しないといけないという法則があります。
こちらでも解説しています。
秒針を噛む/ずっと真夜中でいいのに。【コード進行分析】②
5~6小節目:Bm7→B♭aug→A→A♭m7(♭5)
ベースラインが半音ずつ下降しています。
・B♭augコード
このB♭augコードはBm7/B♭と考えることもできます。
半音下のコードを使用したい時には良く使用されるコードです。
(別に、B♭dimとかでもいいんですけどね….。作曲者の気分の問題です。)
・A♭m7(♭5)
Dメジャーの平行調はBマイナーです。
このコードはマイナー系のスケールである、Bメロディックマイナーダイアトニックから持ってきたコードです。
Bメロディックマイナーダイアトニック
Bm・C#m7・Daug・E7・F#7・G#m7(♭5)・A#dim
※注意 !G#m7(♭5)=A♭m7(♭5)
まとめ
いかがでしたでしょうか。
カノン進行、サブドミナントマイナー、ドミナントモーション、転調。
個人的には、編曲の基礎を詰め込んだ感じの曲で、
音楽理論を学ぶには非常にいい勉強になるのではないでしょうか。
やはり、カノン進行は応用がきいて扱いやすいですね。
続きは、次回です。
では!
原曲はこちら。