今回は、椎名林檎の丸の内サディスティックです。以外なのですが、この曲はシングル曲としてリリースされていません。1作目のアルバム『無罪モラトリアム』に収録されているアルバム曲です。
今では東京事変や、様々なアーティストのカバーでよく知られている曲ですね。
では、いきましょう!
キー:E♭メジャー
(♭3つ)
Aメロ

2~3小節目

A♭▵7→G7→Cm7→E♭→E♭7:Ⅳ▵7→Ⅲ7→Ⅵm7→Ⅰ→Ⅰ7
このコード進行はこの曲に代表的なコード進行です。”おしゃれコード進行”とも呼ばれたり、そのまま丸の内サディスティック進行と呼ばれたりもします。
海外では、Just the Two of Us進行という名称でよく使用されるコード進行です。これはGrover Washingtonの「Just the Two of Us」という楽曲に使用されているためです。下に動画を載せておくので聴いてみてください。
ここでは、E♭→E♭7というコード進行が使用されていますが、この部分はⅠを使用したり、Ⅰ7が使用されたりされます。
このコード進行はG7コード(Ⅲ7)がポイントです。これによって、Cm7への解決感が強くなり、曲のキーが曖昧になります。
これが浮遊感を持ったおしゃれな雰囲気を演出しています。和声的にはセカンダリードミナントか、モーダルインターチェンジで説明できます。
Grover Washington 「Just the Two of Us」
Bメロ

1~2小節目

A♭▵7→B♭7→E♭▵7→G7:Ⅳ▵7→Ⅴ7→Ⅰ▵7→Ⅲ7
Ⅳ→Ⅴ→Ⅰの基本コード進行の後に、G7コードが使用されていますね。このコード進行もG7コードがポイントです。マイナーキーの感じが強くなるので、キーが曖昧になり、浮遊感が生まれます。
サビ

1~2小節目

A♭7→G7→Cm7→E♭7: Ⅳ▵7→Ⅲ7→Ⅵm7→Ⅰ7
サビでもこのJust the Two of Us進行が使用されています。
4小節目

Cm7→Cm7/B→B♭7→Adim:Ⅵm7→Ⅵm7/#Ⅴ→Ⅴ7→#Ⅳdim
コードが下降していきます。分数コードを使用してベースラインが半音ずつ下降しています。
イメージとしては、次の小節のA♭△7に向かってコードでつないじゃえ!という感じです。
こういったコード進行のアプローチを経過音(パッシングコード)と言います。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
今回は、丸の内サディスティックを紹介しました。この曲で重要なのは何と言ってもJust the Two of Us進行ですね。手軽におしゃれ雰囲気を演出できるコード進行なので、ぜひ、覚えておくといいと思います!
参考になれば幸いです。
では!