今回は、Official髭男dismのPretenderです。今かなり勢いがありますね。
ボーカルの藤原さんのハイトーンも印象的です。
楽譜も載せていますので参考にしてください。
では、いきましょう!
キー:A♭メジャー
(♭4つ)
イントロ

イントロ全体

イントロです。ギターフレーズが印象的な部分ですね。
このフレーズは一貫してA♭メジャーペンタトニックスケールで構成されたフレーズです。
ペンタトニックスケールはメジャースケールの4thと7thの音を省いたスケールです。ロックからポップスまで非常に多用されるスケールです。

Aメロ

1~4小節目

E♭/G→C7→Fm:Ⅴ/Ⅶ→Ⅲ7→Ⅵm
ここのE♭/Gは分数コードです。これによってベースラインがG→C→Fとドミナントモーションする形になります。C7コードが使用されているのもその理由です。
この部分のコード進行はツー・ファイブ・ワンを意識した進行になっています。
※補足説明
キー:A♭メジャーの平行調であるFマイナーと考えると、上記の進行はツー・ファイブ・ワン進行になります。曲のキーがFマイナーに転調していると考えることもできます。
キーがFマイナーと考えた場合 : E♭/G→C7→Fm(Ⅶ♭/Ⅱ→Ⅴ7→Ⅰm)
B7:Ⅱ7
ここのB7コードはセカンダリードミナントです。既に説明した通り、前のコード部分で曲のキーがFマイナーに変化していますから、Ⅳ7のサブドミナントマイナーとしても考えられます。
このコードで次のB♭m7コードに繋いでいます。 B♭m7コードはA♭ダイアトニックコード内に含まれているコードなので、曲のキーがA♭メジャーに戻るということです。
11~13小節目

B♭m7→E♭→A♭:Ⅱm7→Ⅴ→Ⅰ
ここもツー・ファイブ・ワン進行が使用されています。これはキー:A♭メジャーのツー・ファイブ・ワン進行です。E♭コードは本来であればE♭7コードを使用するのですが、ポップスの場合は3和音で使用されることも多々あります。
Bメロ

Bメロ全体
シンコペーション(リズムセクション、キメのこと。)が多用されていてかっこいい部分ですね。
弾く場合はリズムに注意してください。
1小節目

D♭▵7→C7→Edim→Fm:Ⅳ▵7→Ⅲ7→♯Ⅴdim→Ⅵm
ここで使用されているC7コードとEdimコードは役割としては同じです。コードの構成音が似ているんですね。どちらも次のFmコードに繋がるコードです。
※補足説明
C7→Fm(Ⅲ7→Ⅵm)、Edim→Fm(♯Ⅴdim→Ⅵm)どちらのコード進行でも自然な流れになります。C7の場合はドミナントモーション。Edimの場合は半音下からのアプローチです。それぞれのコードの構成音は以下に記載しておきます。太字が共通部分です。
2小節目

E♭m7→A♭→D♭▵7:Ⅴm7→Ⅰ→Ⅳ▵7
ここはキーが一瞬だけD♭メジャーに変化したと考えます。そうするとツー・ファイブ。ワン進行です。このアプローチはこの曲中で何度も使用されています。Aメロでも使用されていました。
キーがD♭メジャーと考えた場合:E♭m7→A♭→D♭▵7(Ⅱm7→Ⅴ→Ⅰ▵7)
4小節目

Fm→Edim→E♭m7→Ddim→D♭▵7:Ⅵm→♯Ⅴdim→Ⅴm7→♯Ⅳdim→Ⅳ▵7
この部分は半音ずつコードが下降しています。ここのEdimコード、Ddimコードは経過音としての役割をしていて、パッシングディミニッシュと呼ばれます。
サビ

2小節目

E♭/G→Fm7→Edim:Ⅴ/Ⅶ→Ⅵm→♯Ⅴdim
分数コードを使用することでベースラインが下降しています。気持ち良い部分ですね。ここのEdimコードの和声的な役割についてはよくわかりません。
メロディ:「ぼ~く..じゃない…」
Edimコードの機能がよくわからないと言いましたが、ここの「じゃない」の部分でB♭音が強調されています。B♭音はEdimコードの構成音(減5度)なのでこのコードが使用されているのかもしれません。
4~5小節目

E♭m7→A♭→D♭▵7:Ⅴm7→Ⅰ→Ⅳ▵7
ここもキーがD♭メジャーに変化したと考えます。ツー・ファイブ・ワン進行です。
メロディ:「でも~離れがたいのさ…」
メロディもコードに付随してD♭メジャースケールの音が使用されています。 A♭メジャースケールとD♭メジャースケール の違いはG♭音だけです。的確にG♭音が使用されています。
D♭メジャースケール構成音:D♭・E♭・F・G ♭・A♭・B♭・C
まとめ
いかかでしたでしょうか。
色々な工夫がされているので結構なボリュームになってしまいました。
この曲はツー・ファイブ・ワン進行が多用されている曲です。曲のキーが一瞬だけ変化すると考えてもえあえばわかりやすいです。至るところに ツー・ファイブ・ワン進行を使用する手法はジャズでよくみられるパターンです。
これをポップスのメロディにのせて自然な感じに聴かせているところが凄いですね。むしろ、これがツー・ファイブ・ワン進行の威力です。曲中に多少強引に挿入しても変な流れにはなりません。是非、自分の楽曲のアレンジなどに取り入れてみてはいかがでしょうか。
参考になれば幸いです。
では!
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