今回は、いつもと違うのですが「ロマンスの神様」という楽曲について見ていきたいと思います。というのも、なぜかこの楽曲のリクエストが多いんですよね…。(DM、コメント、知り合い等…)
そこで聴いてみると確かにすごい曲。J-POP要素がバランスよくふんだんに散りばめられているなーと感じたので紹介したいと思います。
J-POPの全てが詰まっている楽曲!?
冒頭でも言いましたが、この「ロマンスの神様」という楽曲には、J-POPの要素がふんだんに詰め込まれています。それもキャッチャーなメロを残したままかなりバランスよく…。
ザッとまとめてみるとこんな感じ。
- クリシェ(Cliche)
- サブドミナントマイナー(Ⅳm)
- ドッペルドミナント(Doppel Dominant)
- 5度進行(Cycle Progression)
- 王道進行(4536)
- 楽曲を通しての転調
では、実際にどの部分が該当するのか見ていきたいと思います。
Aメロ
Key:A♭(♭4)。まずAメロですが、この部分には「クリシェ(Cliche)」が使用されています。
コードをみてみると、A♭→A♭maj7→A♭7とになっており、構成音(A♭→G→G♭)が半音ずつ下行する形になります。これも1990年代のJ-POPでは定番手法。
さらに、次の小節では、サブドミナントマイナー(Ⅳm)。D♭mの部分ですね。
これは、A♭メジャーダイアトニックの4番目のコードをマイナーにするというもの。切ない響きがするといわれています。
Aメロの最後のコードが、B♭7→E♭7になっているところもちょっとしたポイント。このセブンスコード(○7)は、セカンダリードミナントの仲間なのですが、解決先コードのちょうど5度上(Ⅱ7)になっているため、特に「ドッペルドミナント(Doppel Dominant)」と呼ばれます。
「5度(Ⅴ)の5度(Ⅴ)」ということで、力強い&壮厳な響きがするため、印象に残るといえます。まぁ有名なのは『スーパーマリオブロス(Super Mario Bros.)』のテーマ曲の冒頭ですよね。
Bメロ
AメロからBメロにかけて転調しており、Key:A♭(♭4)→Key:B(#5)になっています。
Bメロは、転調も印象的なのですが、コード進行についても一環して「王道進行(4536)」、使用しており、キャッチーさを残したままの展開になっています。
さらにBメロでは、あとに続く部分も8小節ごとに転調しており、めまぐるしい楽曲展開になっています。この部分からは、Key:A(#3)となっていて、今度は全音下(-2)の転調となっています。
サビ
Bメロからサビにかけて、また転調しており、Key:A(#3)→Key:F#(#6)となっています。これは短3度(-3)になっています。
サビのコード進行はやはり、王道進行(4536)を主体としたコード進行。
この王道進行は、「5度進行の派生形」とも考えられるため、本質的は、ほぼ5度進行で成り立っているのがこのサビ部分になります。
まとめ
最後にこれまでの解説をまとめておくとこんな感じ。
まさに、ワンフレーズごとにコンセプトを持って作曲された感じ。どうやら、作曲・アレンジには、広瀬さん以外の何人もの音楽プロデューサーが関わったらしく、流行のJ-POP要素をどんどん詰め込んだ結果、この楽曲が出来上がったのかもしれません。
参考になれば幸いです。
では!
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