今回は、スピッツの優しいあの子です。
NHK連続テレビ小説の主題歌にもなっています。
では行きましょう!
キー:Dメジャーです。
(♯2つ)
イントロ

1~4小節目:D→A/C#→Bm→F#m→G→A→Dsus4→D
カノン進行が使用されています。ベースラインが順番に下降するver.ですね。
Ⅰ→Ⅴ/Ⅶ→Ⅵm→Ⅲm→Ⅳ→Ⅴ→Ⅰ。ポップスではよく使用される定番コード進行です。
4小節目に、Dsus4コードが使用されていますが、本質的には同じです。
カノン進行についての詳細はこちら。
定番コード進行:カノン進行
Aメロ

1~4小節目:D→A→Bm→F#m→G→D→Asus4→A
これもカノン進行です。
イントロのパターンとは少し異なります。こちらがカノン進行の基本形です。 Ⅰ→Ⅴ→Ⅵm→Ⅲm→Ⅳ→Ⅰ→Ⅴですね。
Aコードの前にAsus4コードが使用されています。
これはよく見られるパターンです。
※○sus4コードは、主にダイアトニックコードのⅠとⅤの前に使用されます。
例)G→Csus4→C(Ⅰsus4→Ⅰ。解決を遅延させる。)
Gsus4→G→C(Ⅴsus4→Ⅴ。ドミナントの前に持ってくる。)
○sus4コードの詳細についてはこちら。
○sus4コードについて【音楽理論】
8小節目:Dsus4→D→A/C#
4~7小節目までのパターンはイントロと同じです。
分数コードのA/C#コードが使用されていますね。
これは次の小節への進行をスムーズにする役割があります。
※Bメロの始まりは、BmなのでベースラインがD→C#→Bという風に、
順番に下降していく進行となります。
Bメロ

1小節目:Bm→F#m
Bメロで少し雰囲気が変わりますね。暗い感じ(マイナー感)がすると思います。これは1~2小節目でBm→F#mというマイナー進行を繰り返しているからです。キーが一瞬だけ、Dメジャーの平行調であるBマイナーに転調したと考えてもいいかもしれません。
(そう考えると、Bm→F#mという進行はⅠ→Ⅴ進行の繰り返しになります。)
また、Bm→F#mは弱進行と呼ばれる進行(Ⅰ→Ⅴ)です。
通常ならⅤ→Ⅰが自然なんですが、逆になっていますね。
フォークソングなどで使用される、暗い響きの進行です。
これもBメロで雰囲気が変化する理由だと思います。
※強進行と弱進行についてはこちら。
コード進行の分類:強進行と弱進行【音楽理論】
サビ

サビ全体:
サビもカノン進行が使用されています。
1~4小節目と5~8小節目の部分では、AコードとA/C#コードが異なるので注意してください。
間奏

1小節目:C
ここのCコードは♭Ⅶなので、Dメジャーダイアトニックコードには存在しないコードです。
ここのCコードを”借用和音”といいます。メジャーキーの場合は、マイナー系のダイアトニックコードを使用することができるんですね。
よく使用されるのはⅣm、♭Ⅵ、♭Ⅶです。
※Dナチュラルマイナーダイアトニックコード:
Dm・Em(♭5)・F・Gm・Am・B♭・C
8小節目:A/C#→F#7
ここのF#7はセカンダリードミナントです。
次の小節がBmコードなので、Ⅴ7→Ⅰでドミナントモーションします。
ちなみに、その前がA/C#コードなのでF#7コードへドミナントモーションします。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
カノン進行がメインに使用されている曲でしたね。これは良く使用されるので覚えておいてください。
借用和音やセカンダリードミナントについても限定的な部分だけに使用されていて、非常にシンプルな曲になっています。
ちなみに、マリーゴールド/あいみょんもDメジャーでカノン進行がメインで使用されている曲です。
マリーゴールド / あいみょん【コード進行分析】
参考になれば幸いです。
では!