YOASOBIの「夜を駆ける」です。YOASOBIは、ボカロPのAyaseさんとシンガーソングライター幾田りらさんのユニットです。ヨルシカ、ずっと真夜中でいいのに。などと共にSNSで人気のアーティストですよね。
この曲、定番進行や転調がふんだんに使用されており、非常にキャッチ―な曲に仕上がってます。その辺も解説したいと思います!
動画でも解説していますので参考にしてください!
では、いきましょう!
キー:E♭メジャー
(♭3つ)
イントロ

イントロ全体
イントロです。この部分でのコード進行が以降のパートにたくさん使用されています。
解説はこれ以降で記載しています。
Aメロ

Aメロ全体
Aメロでは大きく分けて4つのコード進行が使用されており、これらの進行がBメロ、サビでも使用されています。
これらについて順番に解説していきます。どれも多くの楽曲で使用される定番進行であり、応用も効きやすい進行になっていますので是非、覚えてみてください。
1~2小節目

A♭→G7→Cm7→E♭7:Ⅳ→Ⅲ7→Ⅵm→Ⅰ7
おしゃれ進行の定番、Just The Two Of Us進行です。Ⅲ7のセカンダリードミナントが使用されていることで、楽曲に一気に浮遊感が出ます。結果、おしゃれな感じがするということです。「椎名林檎 / 丸の内サディスティック」で有名なコード進行ですね。
この曲ではこの進行がEDMチックなアレンジとともに使用されているため、ほかの楽曲とは違ったエモい雰囲気に仕上がっています。
Just The Two Of Us進行の詳しい解説はこちらの記事を参考にしてみてください。
⇒おしゃれコード進行の定番!『Just The Two Of Us進行』について解説する。
3~4小節目

A♭→G7→Cm7→B♭m7→E♭7:Ⅳ→Ⅲ7→Ⅵm→Ⅴm7→Ⅰ7
この進行も Just The Two Of Us進行がもとになっています。先ほど紹介したコード進行の後半部分がツー・ファイブ・ワン進行になっているバージョンです。
一瞬だけキー:A♭メジャーに転調したと考えてもいいですね。
5~6小節目

A♭→B♭→Gm7→Cm7:Ⅳ→Ⅴ→Ⅲm7→Ⅵm7
4536の王道進行です。これも多くの楽曲で使用されている定番進行ですね。ダイアトニックコードで構成されているのでかなりシンプルなコード進行ですが、Aメロ、Bメロ、サビ、どの場面でも使用しやすいコード進行です。
王道進行の詳しい解説はこちらの記事を参考にしてみてください。
⇒定番の基本コード進行!『王道進行』について紹介する。
7~8小節目

A♭→G7→Cm7:Ⅳ→Ⅲ7→Ⅵm7
セカンダリードミナントを使用した終始系コード進行です。E♭メジャーの平行調であるCマイナーの主和音(Cm7)で終わっています。
このように随所で楽曲のキーがマイナーとメジャーで行き来することで浮遊感が出ます。この曲で顕著に多用されている手法です。
Bメロ

1~2小節目

A♭→B♭→Gm7→Cm7:Ⅳ→Ⅴ→Ⅲm7→Ⅵm7
ここでも使用されています、王道進行。解説はAメロの項にて。
3~4小節目

A♭→G7→Cm7→B♭m7→E♭7:Ⅳ→Ⅲ7→Ⅵm→Ⅴm7→Ⅰ7
上記でも解説しているJust The Two Of Us進行です。
5~6小節目

A♭→B♭→Bdim→Cm7:Ⅳ→Ⅴ→#Ⅴdim→Ⅵm7
dimコードが使用されていますね。これは”パッシングディミニッシュ”と呼ばれているものです。
前後のコードを半音でつなぐことによってコード進行をスムーズにすることができます。これによってベースラインがA♭→B♭→B→Cと順番に上行する形となります。
また、セカンダリードミナントであるⅢ7と構成音が似ているので、雰囲気が変化する印象も受けます。
サビ

サビ全体
王道進行とJust The Two Of Us進行の組み合わせによって楽曲が展開していきます。各進行の解説はAメロの項にて行っています。
2~3小節目

A♭→B♭→Gm7→Cm7:Ⅳ→Ⅴ→Ⅲm7→Ⅵm7
王道進行。解説はAメロの項にて。
4~5小節目

A♭→G7→Cm7→B♭m7→E♭7:Ⅳ→Ⅲ7→Ⅵm→Ⅴm7→Ⅰ7
Just The Two Of Us進行。解説はAメロの項にて。
Cメロ

1~2小節目

A♭→G7→Cm7→E♭7:Ⅳ→Ⅲ7→Ⅵm→Ⅰ7
ここでもJust The Two Of Us進行が使用されています。解説はAメロの項にて。
5~6小節目

A♭→B♭→Gm7→Cm7:Ⅳ→Ⅴ→Ⅲm7→Ⅵm7
ここも王道進行ですね。解説はAメロの項にて行っています。
サビ(中間)

サビ(中間)全体
転調しています。
キー:E♭メジャー⇒キー:Dメジャーなので”半音下”への転調ですね。なかなか珍しい転調です。一般的にキーが下がると盛り上がりに欠けてしまうからですね。
ただ、このパートは落ち着いた感じを演出したいと思われるので、逆に、効果が際立った転調になっています。
コード進行はサビとほぼ同様です。
サビ(ラスト)

サビ(ラスト)全体
ここでさらに転調しています。
キー:Dメジャー⇒キー:Fメジャーですね。短3度転調となっており、これもなかなか珍しい転調です。
ただ、元々のキーがE♭メジャーなのでそこから考えると全音上の転調なので、それほど突発的なことはありません。そちらで解釈するといいでしょう。
これもコード進行はサビとほぼ同様です。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
なかなかのボリュームとなってしまいましたが、ポイントはJust The Two Of us進行と王道進行。さらに終盤のかけての転調ですね。
どれもキャッチ―な楽曲を製作するうえで効果的な手法ですので参考にしてみてください。
参考になれば幸いです。
では!
動画でも解説しています!
音源、ストリーミング
〇Amazon Music Unlimitedで聴き放題のようです。
⇒ Amazon Music Unlimited アマゾン公式