コード進行・楽曲分析

定番の基本コード進行!『小室進行』について解説する。

 
今回は、小室進行について紹介します。


あの有名音楽プロデューサー「小室哲哉」さんが多用していたことが由来です。数々のヒット曲は、この進行によるものといっても過言ではありません。


小室進行の特徴、使用されている楽曲について紹介したいと思います。



では、いきましょう!

小室進行の特徴とは?

小室進行とはどういった進行なのでしょうか?早速、コード進行はこちらです。


4コードでシンプルなコード進行ですね。ダイアトニックコードの「Ⅵm-Ⅳ-Ⅴ-Ⅰ」という進行になっています。

このコード進行、メジャーダイアトニックコードの6番目のマイナーコード(Ⅵm)から始まっているんですよねつまり、マイナー平行調の主和音(Ⅰm)から開始しているのが特徴的です。

こういったことから、メジャーキーの楽曲に使用すると、急に暗い感じがする。「明るい曲なのに少し暗い…。」まさに哀愁漂う切ない感じですね。


使用されている有名曲はTM NETWORKの「Get Wild 」。イントロから終わりまでバリバリこの進行が使用されています。


久石譲の「Summer」も小室進行です。


やはり、どこか落ち着いた切ない感じがする。ちなみに、この進行、洋楽ではあまり使用されていません。やはり日本人好みの切ない感じの曲調にぴったりの進行だといえるでしょう。

 

小室進行の派生パターン

小室進行のアレンジパターンについてです。この進行に関してはわりとそのまま使用されることが多いのですが、いくつか紹介しておきましょう。

基本型

これが基本型です。トニック→サブドミナント→ドミナント→トニックという進行形になっています。Amコードというマイナー平行調の主和音(Ⅰm)から開始しているのが特徴的ですね。これが少し暗い切ない感じを醸し出しています。

 

派生パターン①

これはよく使われるアレンジ。小室進行を繰り返して使用するときに効果的です。最後のCコードと次のAmコードの間にG/Bコードを挿入します。こうすることによってベースラインが順次進行し、スムーズに下降していく形になります。コードが全音符から2分音符になるので、曲に少し疾走感が出ますよね。

派生パターン ②

あとは4和音を使用するというパターン。3和音と比較すると少しおしゃれな印象が出ますよね。都会的なツンッとしたイメージ。

使用されている楽曲の一覧

小室進行に使用されている楽曲(ポップス、アニソン、ボカロ、クラシック…)を紹介します。切ないバラード的な楽曲や疾走感のあるかっこいい楽曲で使用されている感じがしますね。

ポップス(J-pop)


〇青いベンチ / サスケ
〇フライングゲット / AKB48
〇オレンジ / SMAP
〇歩み / GReeeeN
〇希望の轍 / サザンオールスターズ
〇変わらないもの / 奥華子
〇ポニーテールとシュシュ / AKB48

など…

アニソン

〇残酷な天使のテーゼ / 高橋洋子
〇Only my railgaun / fripside
〇紅蓮の弓矢 / Rinked Horizon
〇you / dai
〇夏影 / 麻枝准

など…

ボーカロイド


〇千本桜 / 黒うさP
〇初音ミクの消失 / cosMo@暴走P
〇炉心融解 / iroha(sasaki)
〇モザイクロール feat.GUMI / DECO*27
〇トリノコシティ / 40mP
〇からくりピエロ / 40mP
〇ハロ・ハワユ / ナノウ

など…

クラシック

クラシックでも小室進行が使用されています。ポピュラー音楽のコード進行がこれほど顕著に使用されている(中間部分)のは珍しいですね。この進行を使った途端、クラシックながらも非常にキャッチーな印象になっていますね。

〇ユーモレスク – 変ト長調 Op.101 7番 / ドボルザーク(ドヴォルザーク)

まとめ


いかがでしたでしょうか。


現代でもあらゆる楽曲で使用されている小室進行。クラシックでもしようされているのは意外でしたよね。少し切ないカッコいい感じの曲調にぴったりのコード進行です。ぜひ使用してみてください。



参考になれば幸いです。



では!

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だっとさん
ピアノ、ギター、作曲をする音楽家。ポップス、ロック、アニソン、ボカロなどの楽曲分析、音楽理論、DTM、ギター機材関連の情報を発信! Youtubeでも動画配信しているので見てね!