リズム理論

音楽用語がタイトルの楽曲はマジでそうなのか?~ポリリズム、アボイドノート、不協和音…~

今回は、少し気になった疑問についてやってみたいと思います。それが「音楽用語がタイトルの楽曲は本当にそうなのか?」という話。

やりたいことについては何となくわかると思うので、早速いきましょう。

ポリリズム / Perfume

まず、Perfumeの『ポリリズム』という楽曲。ポリリズム(複合拍子)というのは、楽曲内で異なる拍子(ノリ)が混合することです。

例えば、以下の譜例ではメロディのフレーズは3拍子(奇数)ですが、伴奏は4拍子(偶数)になっています。これがポリリズムというものです。


実はこの楽曲、タイトル通り、間奏部分で「ポリリズム」という手法が使用されています。

1:37~の部分はバスドラムは通常の4拍を刻んでいるのですが、メロディは「ポ・リ・リ・ズ・ム」という具合に5拍になっています。さらに、ベース音(&シンセサイザー)は3拍(3/16)のノリになっていますね。


非常に複雑なリズムが交差しているのがわかるかと思います。したがって、この楽曲は「マジでそう。」ということになります。

アボイドノート / Mrs.Green Apple

Ms.Green Appleの『アボイドノート』という楽曲はどうでしょうか。

この「アボイドノート」というのも突き詰めるとややこしいのですが、広く知られている定義では「スケール上でダイアトニックコード響きを阻害する音で、長い音での使用を避けるのが望ましい」とされている音です。

例えば、C、Em、AmコードのアボイドノートとされるのはF(ファ)音です。


まぁ聴いてもらったらわかるのですが、コードおなと同じように使うのは、確かに響きが濁ってしまうかもしれませんね。


これに関してはめちゃくちゃザックリいうと、コード構成音に対して「短9度(半音上)の音」になります。したがって、他にはC(ド)音なんかもアボイドノートになり得ます。※Ⅱmにおける13th(シ)の音だけは例外でアボイドノートです。サブドミナントなのにドミナント(G7)と構成音が類似してしまうためです。


では、この楽曲のどの箇所が「アボイドノート」になっているのか。コードとメロディの関係に絞って考えてみたいと思います。※短い音(4分、8分、16分音符)に関してはアボイドノートと含めず、長い音(2分、全音符)を含めるようにしました。



すると….そのような箇所はありませんでした!


短い音も含めるといろいろあるんですけどね。イントロの部分とかBメロとかに使用されていますよね。ただ、これはアボイドノートというほどコードの響きを阻害していません。



これについては解釈によってけっこう意見が分かれそうですが、判定としては「そうではない。」ということになります。

8BEATのシルエット / 布袋寅泰

布袋寅泰の『8BEATのシルエット』という楽曲。果たして8ビートなのでしょうか?

これはもう聴いてもらったらわかる通り、バリバリの8ビートとなっています。

イントロのドラムパターンを採譜してみるとこんなん感じ。ビートの要であるバスドラムとスネアドラムとハイハットが8分で刻んでいますね。


ということで、8ビートが使用されているので、この楽曲は「マジでそう。」ということになります。

シンコペーション / BABYMETAL

BABYMETALの「シンコペーション」という楽曲。シンコペーションというのもリズム用語で、拍の頭を”食って入る”という意味です。※正確には、アンティシペーションだし、広義ではもっといろいろなパターンがあるのですが、まぁ細かいことはいいでしょう。

簡単な譜例をみてみるとこんな感じ。小節のが前のめりに感じるので、疾走感に満ちた感覚があります。


では、この楽曲で「シンコペーション」が使用されている箇所はあるのかというと..。.この楽曲ではめちゃくちゃ使用されています。

例えばサビの入りの部分。「まわれ、まわれ~」の部分で連続でシンコペーションが使用されていますね。

まさしく前のめりの疾走感に満ちた感じ。したがって、この楽曲も「マジでそう。」ということになります。

不協和音 /欅坂46

最後に『不協和音』という楽曲です。どの箇所が不協和音なのか?ということですね。

そもそも「不協和音」という定義が非常に難しいです。例えば、wikipediaを参照してみると、協和の度合いによって音程が3つに分類されています。

 

協和音程と不協和音程

完全協和音程:完全1度、完全4度、完全5度、完全8度(オクターブ)

不完全協和音程:長3度、短3度、長6度、短6度

不協和音程:長2度、短2度、増4度、短7度、長7度

※これは正確に言うと、純正律でいう比率のお話ですが、今回は少しおいておきます。


「えぇ..、そんなんいっぱいあるやんけ..。」ということですが、まさしくそうなのです。

不協和音の定義があまりに広いので、これらの和音は現代音楽においてはたくさん使用されています。

したがって、この「不協和音」という楽曲も例外なく、これらの音程が含まれていると考えられます(4和音だとアウトなので…)。少し不服ですが判定としては「マジでそう。」ということになります。

まとめ


いかがでしたでしょうか。


今回は、楽曲のタイトルを通じて、さまざまな音楽用語について解説しました。他にも色々な楽曲がありそうなのでまたの機会にやれたらと思います。


まぁ、ほとんどが歌詞に寄り添ったネーミングだということに注意してください!


参考になれば幸いです。


では!

ABOUT ME
だっとさん
ピアノ、ギター、作曲をする音楽家。ポップス、ロック、アニソン、ボカロなどの楽曲分析、音楽理論、DTM、ギター機材関連の情報を発信! Youtubeでも動画配信しているので見てね!

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