今回は、曲のキーを把握する方法について紹介したいと思います。
曲のキーを把握するというのは、特に耳コピやアドリブの際に重要になってきます。
・耳コピの際に、使用されているコードにあたりをつける。
・アドリブの際に、音選びの参考にする。
・アレンジの際に、使用できるコードの参考にする。
他にもいろいろな場面で重要になってきます。
かなり参考になるかと思いますので、ご覧になってください。
では、いきましょう!
①曲の最後のコードから探る
これが一番簡単でスピードも速いです。
たいていの曲は、キーの主和音(Ⅰ、Ⅰm)で終わります。
曲の最後のコード:Am ⇒ 曲のキー:Aマイナー
これは主和音(Ⅰ、Ⅰm)の特性を利用したものです。
これらのコードはトニック(T)と呼ばれており、一番安定感があるコードです。
「あぁ~終わった…。」という感じがするコードです。
なので、曲の一番最後のコードがその曲のキーになっていることが多いのです。
ただ、この方法は万能というわけではありません。
意図的に違うコードが使用されている場合や、曲の途中の転調、曲がフェードアウトしていく場合には対応できませんので注意してください。
②曲のメロディから#と♭の数を探る
この方法が一番汎用性が高く、確実性が高い方法だと思います。
ただ、ある程度メロディを耳コピできる能力が必要です。
曲のメロディに#と♭がいくつ使用されているかによって曲のキーを把握します。ピアノであれば、いくつの黒鍵が使用されているかですね。
#と♭の数と曲のキーの関係については法則性があるのでそれを利用して判断します。
例)メロディに#が1つ使用されている ⇒ 曲のキー:Gメジャー
メロディに♭が2つ使用されている ⇒ 曲のキー:B♭メジャー
#と♭の数とキーの関係についてはこちらの記事を参考にしてください。
調号とキーの関係【音楽理論の基礎⑧】
※平行調の場合、メジャーとマイナーは曲の雰囲気で判断します。
ただ、使用されるコードは同じなので、メジャーでもマイナーでもどちらでも問題ないです。
この方法は曲の途中で転調している場合などでも対応できます。
ただ、アクセント的に#や♭が使用されている場合は注意してください。
③サビ前のコードから探る
この方法はかなり少数派です。
曲のサビ前のコードには、キーのドミナントセブンス(Ⅴ7)が使用されていることが多いことを利用します。
曲のサビ前のコード:E7 ⇒ 曲のキー:Aメジャー
※4和音が3和音の場合もあります。
これはドミナントセブンス(Ⅴ7)の特性を利用したものです。
これらのコードはドミナント(D)と呼ばれており、一番不安定感、高揚感があるコードです。「いくぜーっ!」という感じがするコードです。
この方法はサビの前後のみにフォーカスした方法です。
転調などがある場合には注意してください。
④コード進行パターンから探る
コード進行パターンから曲のキーを探る方法です。
この方法も汎用性が高く、確実性が高いです。
転調が多い場合でもしっかり対応できます。
ある特定のコード進行パターンを探すという方法です。
既にコードがわかっている場合にはかなり有効な手段となります。
主に以下の2つのコード進行パターンに注目します。
①Ⅳ→Ⅴ7→Ⅰ進行パターン
この進行パターンはサブドミナント→ドミナント→トニックという曲のキーを大きく特徴づける進行です。
例)進行パターン:F→G7→C ⇒ 曲のキー:Cメジャー
②Ⅱm→Ⅴ7→Ⅰ進行パターン
この進行パターンもサブドミナント→ドミナント→トニックです。 ツー・ファイブ・ワン進行と呼ばれており、 曲のキーを大きく特徴づけます。
例)進行パターン:Dm→G7→C ⇒ 曲のキー:Cメジャー
このパターンが使用されていない場合には使いにくい方法です。
ただ、ツー・ファイブ・ワン進行が多用されるジャズや、転調が激しい曲では必須になります。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
曲のキーを把握する方法を紹介しました。
一番最初に紹介した方法は、初心者でも簡単にできるのでかなりおすすめです。
私も最初の頃はこの方法はフル活用して耳コピに励んでいましたね。
ただ、実際には複雑な曲になるほど、これらの4つの方法を駆使して曲のキーを把握していきます。
ジャズなどでは転調が多く、キーを判別していくのが難しいからです。
正確性という点では②、④の方法をマスターしたいところです。
参考になれば幸いです。
では!