音楽を始めたばかりの初心者の登竜門でもある耳コピ。なかなか上手くいかない方も多いのではないでしょうか。しかし「耳コピに才能なんてものは関係ありません。」トレーニングすれば、誰でもできるようになるので安心してください。
今回は、耳コピの具体的な手順について5つのStepで解説していきます。
では、いきましょう!
① 曲の構成を把握する
まずは曲の構成を把握しましょう。構成というのは「イントロ→Aメロ→Bメロ→サビ..」のようなざっくりしたものです。もちろん、すでに聴き込んでいる曲の場合はこのステップは完了していることが多いです。
ポップス、アニソンなどの場合は、パート内で同じフレーズを繰り返し使用するケースが多く、この程度ざっくりした構成でOKです。まずは楽曲がどういったメロディで、どのような流れなのかということを把握しましょう。
② 楽曲のキーを探す
次は楽曲のキーを探します。一気にハードルが上がった気がしますが、それほど難しくありません。
キーがわかると「楽曲で主に使用するコード&音階」が把握できます。それはつまり、楽曲で使用されているであろうコード&音階を予測することができるということです。
したがって、キーを把握するということは耳コピをする際のかなり重要なヒントとなるのです。では、キーの探し方を紹介します。
探し方①:メロディから探す
キーを把握するのに一番有用な方法です。耳コピ初心者の方でも「単音を聴きとる」ことはできるはずです。(鼻歌などで歌詞を口ずさむことができるのですから。)
まずは楽曲の中核をなしているメロディを聴きとって、♯、♭がいくつ使用されているかを把握しましょう。すると、♯、♭の数からその曲のキーが判断できます。
その際に有用なのが『五度圏』というツールですので参考にしてみてください。
⇒ 音楽理論の便利ツール『五度圏』についてわかりやすく解説!
探し方②:楽曲終わりの音から探す
これもキーを把握するのに有用です。ギター&ピアノ伴奏で「コード(和音)だけわかれば良い」という人はこちらの方が効率的かもしれません。
多くの楽曲は最後の音が安定な響きであるトニック(英語:Tonic)で終わります。つまり、「キーの主音が使用されている」ことが多いんですね。例えば、「Aの音で楽曲が終わるのであれば、キーはAメジャー」となります。簡単かつ、高確率でできるのがこの方法です。
ただ、転調や特殊な終わり方をしていると対応できないので注意してください。感覚的には7~8割くらいの楽曲はこの方法でもOKな気がしています。
③ベース音を聞きとる
キーが把握できたら次はベース音を聴きとります。ピアノでは左手がベース音を鳴らしていることが多いです。「ベース音も単音」なので、それほど難しくありません。
低音がしっかり聴こえるイヤホンを用意しましょう。個人的には「密閉タイプのイヤホン」がオススメです。全ての音だけやる必要はありません。コードの変わり目の音だけで十分です。
このベース音とメロディがわかれば、最低限、楽曲を演奏することが可能です。それだけベース音というのは重要な音なんですね。また、ベース音はコードのルート(Root)を弾いていることが多いので、ここでの耳コピがコードを聴きとる際の重要なヒントになってきます。
④基本的なコードを聞きとる
ここからはいよいよコードを聴きとる作業です。ただ、ぶっちゃけ「コードを正確に聴きとるのはかなり難しい」です。みんなが苦戦するところですので、できなくても気にしないでください。
では、どうしたら良いのかというと、音楽理論の力を借りて「コードを予想する」ことから始めます。そこで重要になるのがダイアトニックコードです。
先ほどまでの「ダイアトニックコードの情報」と「ベースの情報」を統合して、使用されているコードを導き出すのです。ベース音に対応するコードをダイアトニックコードに照らし合わせてみましょう。すると、だいたいの部分に関しては予想通りのコードになります。これだけで耳コピが完了する曲もけっこうあります。
ここまで来ればある程度は出来上がっているので後は精度を増していく作業になります。
⑤ 特殊なコードを聴きとる
一部の楽曲では、キーとベースとダイアトニックコードの情報を統合しても上手くいかないパターンがあります。
それは「ベース音に対応するダイアトニックコードがない」、「明らかにダイアトニックコードではない響きがする」という場合です。ダイアトニックコードはある種、「素直な響き」ですので慣れてくると違いがわかるようになると思います。この場合は、以下のような特殊なコードを聴きとる必要があります。
ただ、J-pop、アニソン、ボカの場合、それほど複雑なコードが使われることはありません。ザッと以下のようなものを知っておくと十分でしょう。
・セカンダリードミナント(Ⅱ7、Ⅲ7….)
・ディミニッシュ(#Ⅴdim、#Ⅱdim)
・マイナーダイアトニック系コード(Ⅳm、♭Ⅵ、♭Ⅶ…)
これらのコードを主眼に置いて補正していけば耳コピは完了です。この辺は精度を上げていく作業なので、「凝ってしまう」ことはオススメしません。「自分が変に思わなければOK!」ぐらいの気持ちでいいです。この辺はトレーニングで鍛えていくしかありませんので、焦らずにコツコツやっていくといいと思います。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
今回は、耳コピの具体的な手順について紹介しました。「なかなか上手くいかないな…」という方もひとまずこの手順でやっていけばある程度できるようになると思います。がんばってください!
参考になれば幸いです。
では!