コード進行・楽曲分析

ライラック/Mrs.Green Appleのコード進行・音楽理論~散りばめられたリディアンスケールは明るく感じる理由か?~

ライラック/Mrs.Green Appleの魅力

 Mrs.GREEN APPLEの新曲「ライラック」についてみていきましょう。アニメ『忘却バッテリー』OPテーマとなっています。Mrs.GREEN APPLEの特徴である非常に明るい雰囲気の応援歌となっていますし、転調や変拍子と聴きどころ盛りだくさんの楽曲となっています。今回は3つの観点からこの楽曲の魅力についてみていきたいと思います。

魅力①:ライラックの明るさは何なのか?

 いきなりマニアックな話になるのですが、この楽曲を聴いててふと思ったのが非常に明るい楽曲だなーと。ちょっと理論的に言うと『リディアン(Lydian)』に寄った(寄ってしまっている?)楽曲だなと感じました。

 リディアン(Lydian)というのは、メジャースケールの4番目の音を半音上げたスケールです。これによって、明るい印象を与えるといわれています。この楽曲の場合だとKey:B♭なので「B♭・C・D・E・F・G・A」という音の並びがB♭リディアンスケール。つまりは、Fメジャースケールと全く同じ音群になり、Key:B♭の楽曲において、Fメジャースケールのコードを使用するとリディアンっぽさが出てしまうことになります。



例えば、この楽曲のサビにはB♭リディアンコードの代表格であるC(Ⅱ)、Em7♭5(#Ⅳm7♭5)が随所に散りばめられていることがわかります。

「君を待つよここでね…」のEm7♭5 がそうですし、「愛おしくも痛い気がする….」「なにを得て大人になって…」などに唐突に出てくるCコードがKey:Fを連想させるので これらのコードがリディアンっぽさの正体だと考えられます。

 また、イントロやAメロの部分も非常に興味深いです。例えば、イントロ→Aメロに入る部分。ここではG♭が登場しているためG♭(Ⅵ♭)→A♭(♭Ⅶ)…に接続するマリオ進行(ピカルディ終止、アニソン進行など)かと思えば、G♭(Ⅵ♭)→F(Ⅴ)…に進行しています。

 恐らく、Aメロの始まりがB♭なので、ドミナント進行で繋がるということなのだと思いますが、考えようによっては手前の部分でKey:Fの主和音に解決する代理ドミナント(裏コード)の役割になってしまっています。したがって、ここでもKey:Fを連想してしまうのです。 

 このような理由から「ライラック」という楽曲は、Key:B♭なのにも関わらず、なぜか、Key:Fのようなコード使いが見られるために、楽曲を通してなぜが明るい雰囲気がしてしまうという特徴があります。

② 謎の変拍子(3+3+3+4)

 2つ目はCメロでの謎の変拍子「影が痛い…」。カウントしてみると、ここは「3・3・3・4」という拍子になっており、非常に珍しいです。また、メロディがなかなか思い切った音使いをしており、コードに対して3rdと5thを繰り返すだけの機械的なものになっています。これは作っている側はなかなかできないな…という感じで面白いのではないでしょうか。

③ 相変わらずの転調

 3つ目は転調です。相変わらず唐突な転調が繰り返されていまさ。Aメロ、サビはKey:B♭(♭2)、Bメロでは短3度下(-3)のKey:G(#1)となっています。また、ラストサビにKey:B(#5)ということで半音上(+1)の転調ですね。

まとめ

 いかがでしたでしょうか。今回は「ライラック」という楽曲についてみてきました。ポップな楽曲のなかでも、随所にMrs.GREEN APPLEらしい工夫がみられているのがわかると思います。ここでは取り上げませんが、歌詞も広い年齢層に共感が得られるものとなっているので、意識して聴いてみてください。

参考になれば幸いです。


では!

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だっとさん
ピアノ、ギター、作曲をする音楽家。ポップス、ロック、アニソン、ボカロなどの楽曲分析、音楽理論、DTM、ギター機材関連の情報を発信! Youtubeでも動画配信しているので見てね!

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