ポップス・ロック

近年のJ-popにおける楽曲構成の話~イントロと間奏、楽曲時間についての話~

ヒット曲の楽曲構成を分析してみる

引き続き、ヒット曲の傾向を分析をしていきたいと思います。分析するといっても、今回は、楽曲の大枠部分に着目していきたいと思います。

それが「楽曲の構成」について。

これはもうシンプルな話で、Jpopというのはイントロ、Aメロ、Bメロ、サビを2回くりかえし、ギターソロ、ラストサビで終わるという構成を取ってきました。一方、洋楽では、Verse → Chorusという構成が多くJpopでいうBメロがないということも多いです。 

近年のストリーミング、ショートムービー時代で、SNS世代は音楽を最後まで聴かないと言われることから楽曲構成や楽曲時間なんかも少し変わってくるかもしれません。そこで、最近の楽曲構成がどのようになっているか主に4つの観点から調べてみたいと思います。

① イントロ、歌い出し
②ギター、シンセサイザー等の間奏
③ Bメロの存在
④ 楽曲時間

集計結果

集計には、ビルボードジャパンのDownload Songs部門を用いて、最近の流行り楽曲の上位50曲を調べます。(2022年 年間JAPAN Chart:公式URL

楽曲 / アーティストイントロ間奏Bメロ楽曲時間
残響散歌 / Aimer3:04
ミックスナッツ / Official髭男dism×3:33
新時代 / Ado××3:48
一途 / King Gnu×3:10
逆夢 / King Gnu5:07
KICK BACK / 米津玄師×3:13
M八七 / 米津玄師××4:23
カメレオン / King Gnu×××3:21
祝福 / YOASOBI××3:16
Subtitle / Official髭男dism×5:06
Habit / SEKAI NO OWARI4:13
ベテルギウス / 優里××3:50
W/X/Y / Toni Yuuki×4:39
喜劇 / 星野源〇(1小節)×3:51
朝が来る / Aimer××4:54
SOUVENIR / BUMP OF CHICKEN4:24
POP SONG / 米津玄師4:19
ドライフラワー / 優里4:45
水平線 / back number4:45
群青 / YOASOBI×4:08
クロノスタシス / BUMP OF CHICKEN5:40
それを愛と呼ぶのなら / Uru×4:55
明け星 / LiSA4:29
君に夢中 / 宇多田ヒカル4:18
私は最強 / Ado×4:18
楽曲 / アーティストイントロ間奏Bメロ楽曲時間
雨燦々 / King Gnu4:56
CryBaby / Official髭男dism4:00
CITRUS / Da-ice4:08
アルデバラン / A I×4:26
花の塔 / さユリ4:36
JUST DANCE! / Travis Japan2:57
Mela! / 緑黄色社会×4:02
アイノカタチ feat.HIDE / MISIA4:26
永遠 / Mr.Children×6:12
ダンスホール / Mrs.GREEN APPLE×3:23
Bye-Good-Bye / BE:FIRST×3:01
きらり / 藤井風××3:52
色彩 / yama×3:23
レオ / 優里3:59
grace / 藤井風×4:50
心という名の不可解 /  Ado×4:30
ALIVE / Claris×3:38
阿修羅ちゃん / Ado××3:16
なんでもないよ、/ マカロニえんぴつ×3:38
逆光 / Ado3:58
チキチキバンバン / QUEENDOM××3:23
Butter / BTS2:44
虹 / 菅田将暉4:18
Start Over / THE BEAT GARDEN3:22
魔法の絨毯 / 川崎鷹也×3:31

イントロの存在

イントロがない楽曲は50曲中16曲。要は歌い出しから始まるという楽曲です。やはり、歌い出しはインパクトが強いですね。

特にサビから唐突に始まるのは、17曲中7曲。これらにはAdo「新時代」や「私は最強」、KIng Guu「カメレオン」、緑黄色社会「Mela!」、Mrs.GREEN APPLE「ダンスホール」、yama「色彩」などが該当します。YOASOBIはかなり特徴的で、ほとんどのシングル楽曲で歌い出しから始まります。

逆に言えば、イントロが存在する楽曲は33曲であることから、まだまだイントロ主体の楽曲の方が多いということになります。

イントロが印象的な楽曲としては、King Gnu「一途」、さユリ「花の塔」があり、これらの例を考えると秀逸なイントロというのはそれ相応の爆発力があるものだと考えられます。

間奏

次は間奏。ここでは、ギター、シンセサイザー、ピアノなど楽器で魅せるようなパートを言いますが、これが盛り込まれているのは50曲中29曲です。

以前に、ギターソロを飛ばすという話題がありましたが、ギターソロといえるような間奏は、Aimer「残響賛歌」、LiSA「明星」、King Gnu「逆夢」、Official髭男dism「Subtitle」、BUMP OF CHICKEN「SOUVENIR」、back number「水平線」などがあります。

聴くかどうかはおいておいて、楽曲に盛り込まれるというのは少なくはなさそうです。King Gnu、Official髭男dism、BUMP OF CHICKEN、buck numberなどはバンドミュージシャンということでギターソロなどが取り入れることが多いと言えそうですね。

Bメロの存在

Jpopの特徴ともいえるBメロですが、これはほぼすべての楽曲で存在しています。King Gnu「カメレオン」は明確なBメロパートのようなものが見られず、Aメロ→サビのような構成になっています。このように、Aメロ→サビ(Verse → Chorus)というような構成はほぼ見られないという結果になっています。やはり、これはポピュラー音楽らしい要素の1つと言えるのではないでしょうか。

やはり楽曲は時短傾向か?

楽曲時間ですが、近年のポップは時短傾向にあるといえそうです。2000年代のJ-POPは5~6分の楽曲はざらだったのですが、現代の楽曲は3~4分弱しかありません。

ちなみに、楽曲時間を集計してみると、50曲の平均値は4分03秒。最も長かったのは、Mr.Children「永遠」で6分12秒。最も短いのがBTS「Butter」で2分44秒で、3分を切る結果となりました。

2番目で短いのがTravis JAPAN「JUST DANCE!」の2分57秒、次点でBE:FIRST「BY-GOOD-Bye」の3分01秒ということで、いわゆるK-POPやジャニーズ系の楽曲は短い傾向にあることがわかると思います。

時代はショートムービー。極論を言えば、それらやCM等に起用できるくらいの尺だけあればいいという楽曲も珍しくない日がくるかもしれません。

まとめ


いかかでしたでしょうか。


楽曲構成なんて好き勝手やればいいのですが、楽曲作りをしていると案外悩むことがあるものです。何か参考になれば幸いです。


では!


ABOUT ME
だっとさん
ピアノ、ギター、作曲をする音楽家。ポップス、ロック、アニソン、ボカロなどの楽曲分析、音楽理論、DTM、ギター機材関連の情報を発信! Youtubeでも動画配信しているので見てね!

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