コード(和音)理論

【徹底調査】最近のヒット曲のコード進行はどうなっているか〜Jpop上位50曲のサビを分析してみる~【2023年版】

最近のヒット曲のコード進行を調査!

近年のヒット曲のコード進行についてみていくというただそれだけの内容です。2022年のビルボードジャパンHOT100ランキングを参照してヒット曲について集計していきます。(2022年 年間JAPAN Chart:公式URL

ランキングを簡単に紹介しておくと、1位はAimer「残響散歌」、Offeicial髭男dism「ミックスナッツ」は4位、大きく話題となったAdo「新時代」は7位となっています。

優里は今年も「ベテルギウス」「ドライフラワー」の2曲が上位にランクインしており、下半期にリリースされたせいか、米津玄師「KICK BACK」、Mrs.GREEN APPLE「ダンスホール」は30位近くにとどまる結果となっています。

ネット流行をより反映しているのはダウンロードランキングか?

ちなみに、Download Songs部門では、米津玄師「KICK BACK」「M八七」が6位、7位と上位にランクインしている他、さユリ「花の塔」やBUMP OF CHICKEN「SOUVENIOR」、YOASOBI「祝福」などアニメとのタイアップで話題となった楽曲も数多くランクインしており、ネット主体の若者にはこちらの方がしっくりくるラインナップかもしれません。

総合ランキングでは、YOASOBI「夜に駆ける」やOfficial髭男dism「CryBaby」など2019年リリースの楽曲もいまだ含まれるため、今回の集計には、年によって楽曲変わり映えの大きいこのダウンロードランキングを参照したいと思います。

コード進行の集計について

楽曲の顔ともいえるサビのコード進行について集計しています。

最近のコード進行は非常にややこしく、4コードを繰り返すような単純なコード進行に収まらないことが多いです。

記載しているのはサビ頭の4コードのみで、経過コードなどを極力省いた大枠のコード進行になります。

※ディグリーはメジャー表記(例:Key:Amの主和音はⅵと表記)

1位~25位

楽曲 / アーティストコード進行(サビ頭)
残響散歌 / Aimerⅵ-Ⅳ-Ⅴ-Ⅰ
ミックスナッツ / Official髭男dismⅠ-Ⅲ-ⅵ-(ⅴ-Ⅰ)
新時代 / Adoⅱ-Ⅳ-ⅵ–
一途 / King Gnuⅱ-ⅲ-ⅵ-Ⅴ
逆夢 / King Gnuⅵ-ⅱ-Ⅴ-Ⅰ
KICK BACK / 米津玄師ⅵ-ⅱ-Ⅲ-ⅵ
M八七 / 米津玄師Ⅳ-Ⅴ-ⅵ
カメレオン / King GnuⅠ-Ⅳ-Ⅴ-Ⅲ/Ⅴ#
祝福 / YOASOBIⅣ-Ⅴ-ⅲ-Ⅵ
Subtitle / Official髭男dismⅣ-Ⅴ-Ⅲ-ⅵ
Habit / SEKAI NO OWARIⅵ-Ⅴ-Ⅳ-Ⅲ
ペテルギウス / 優里Ⅳ-Ⅰ/Ⅲ-Ⅴ-ⅵ
W/X/Y / Toni Yuukiⅵ-Ⅳ-Ⅴ-Ⅰ
喜劇 / 星野源Ⅳ-Ⅲ-ⅵ-Ⅰ
朝が来る / AimerⅣ-Ⅴ-ⅵ-Ⅴ
SOUVENIR / BUMP OF CHICKENⅣ-Ⅰ/Ⅲ-ⅱ
POP SONG / 米津玄師ⅵ-ⅱ-Ⅴ-Ⅰ…
ドライフラワー / 優里Ⅳ-Ⅰ-Ⅴ-ⅵ
水平線 / back numberⅠ-Ⅳ-Ⅴ-ⅵ
群青 / YOASOBIⅣ-Ⅴ-ⅲ-ⅵ
クロノスタシス / BUMP OF CHICKENⅣ-Ⅰ/Ⅲ-ⅱ-Ⅴ
それを愛と呼ぶのなら / UruⅠ-Ⅳ-Ⅴ-ⅵ
明け星 / LiSAⅵ-Ⅴ-Ⅰ
君に夢中 / 宇多田ヒカルⅣ-Ⅴ/Ⅳ-ⅲ-ⅵ
私は最強 / AdoⅠ-Ⅳ-Ⅴ-ⅵ

26位~50位

楽曲 / アーティストコード進行(サビ頭)
雨燦々 / King GnuⅠ…-Ⅲ-ⅵ
CryBaby / Official髭男dismⅠ-ⅶ-Ⅲ-ⅵ
CITRUS / Da-iceⅵ-ⅲ-(Ⅳ-Ⅴ)-Ⅰ
アルデバラン / AIⅵ-ⅵ/Ⅴ-Ⅳ-Ⅰ
花の塔 / さユリⅵ-Ⅳ-Ⅴ-Ⅰ
JUST DANCE! / Travis Japanⅵ-ⅱ-Ⅴ-Ⅰ
Mela! / 緑黄色社会Ⅳ…-ⅲ-ⅵ
アイノカタチ feat.HIDE / MISIAⅠ-Ⅳ-Ⅴ-Ⅰ
永遠 / Mr.ChildrenⅠ-Ⅲ-ⅵ
ダンスホール / Mrs.GREEN APPLEⅣ-Ⅴ-ⅵ
Bye-Good-Bye / BE:FIRSTⅣ-Ⅲ-ⅵ
きらり / 藤井風Ⅳ-Ⅲ-ⅵ-ⅱ…
色彩 / yamaⅣ-Ⅲ-ⅵ-(ⅴ-Ⅰ)
レオ / 優里ⅵ-Ⅳ-Ⅴ-Ⅰ
grace / 藤井風ⅱ-(Ⅴ-Ⅳ)-Ⅲ-ⅵ
心という名の不可解 / AdoⅣ-Ⅴ-ⅲ-ⅵ
ALIVE / ClarisⅣ-Ⅴ-ⅲ-ⅵ
阿修羅ちゃん / AdoⅣ-Ⅴ-ⅵ-Ⅴ
なんでもないよ、/ マカロニえんぴつⅠ-Ⅲ-Ⅳ-Ⅴ
逆光 / Adoⅵ-Ⅰ-ⅱ-#ⅱ
チキチキバンバン / QUEENDOMⅵ-Ⅳ-Ⅰ-Ⅴ
Butter / BTSⅠ-Ⅰ-Ⅰ-Ⅰ
虹 / 菅田将暉Ⅰ-Ⅴ-ⅵ-ⅲ
Start Over / THE BEAT GARDENⅣ-Ⅰ-Ⅲ-ⅵ
魔法の絨毯 / 川崎鷹也Ⅳ-Ⅴ-ⅵ-(ⅴ-Ⅰ)

全体的にバラエティのあるコード進行になっていますが、いわゆる定番進行と呼ばれるような王道進行、小室進行、Just The Two Of Us進行なども一部の楽曲で使用されています。

王道進行(Ⅳ-Ⅴ-ⅲ-ⅵ)

王道進行は50曲中6曲となっています。YOASOBIは王道進行の楽曲が多く、今年リリースされた「祝福」も例外ではない結果となっています。ヒットした「Subtitle」はサビで王道進行となっています。

王道進行(Ⅳ-Ⅴ-ⅲ-ⅵ)
・祝福 / YOASOBI
・Subtitle / Official髭男dism
・群青 / YOASOBI
・君に夢中 / 宇多田ヒカル
・心という名の不可解 / Ado
・ALIVE / Claris

小室進行(ⅵ-Ⅳ-Ⅴ-Ⅰ)

総合ランキング、Download Songsともに首位である「残響散歌」は小室進行です。そのほか、アニメで話題となった「花の塔」もそうですね。

王道進行の6451のサブドミナントを代理コードとした6251進行を含めると50曲中6曲が小室進行に似たサウンドとなりました。

〇小室進行(ⅵ-Ⅳ-Ⅴ-Ⅰ)
・残響散歌 / Aimer
・W/X/Y / Toni Yuuki
・花の塔 / さユリ
・レオ / 優里
・逆夢 / King Gnu(6251)
・JUST DANCE! / Travis Japan(6251)

カノン進行(Ⅰ-Ⅴ-ⅵ…)

驚くべきことにカノン進行は1曲だけです(動画での集計ミスでした、ごめんなさい…。)菅田将暉「虹」が該当しますね。カノン進行は主和音から始まりバリバリの長調を感じます。

つまりは、明るい、楽しいなどのサウンドがもろに演出されるので、このような雰囲気のコード進行はJ-popではあまり用いられなくなってきたのかもしれません。

〇カノン進行(Ⅰ-Ⅴ-ⅵ…)
・虹 / 菅田将暉

Just The Two Of Us進行(Ⅳ-Ⅲ-ⅵ…)

アニメ「SPY×FAMILY」のEDテーマ曲が2曲ともJust The Two Of Us進行という面白い結果となりました。世界観にマッチしているのかもしれませんね。もしくは、担当者が好みなのか…笑

〇Just The Two Of Us進行(Ⅳ-Ⅲ-ⅵ…)
・喜劇 / 星野源
・色彩 / yama
・Bye-Good-Bye / BE:FIRST

ポップパンク進行(Ⅳ-Ⅰ-Ⅴ-ⅵ、ⅵ-Ⅳ-Ⅰ-Ⅴ、Ⅰ-Ⅴ-ⅵ-Ⅳ)

海外でよく使用されるポップパンク進行はあまり見られません。優里の「ペテルギウス」「ドライフラワー」は類似していると言えますが、分数コードや経過コードが使用されており、少し異なる雰囲気になっています。パリピ孔明OP曲の「チキチキバンバン」はバリバリのポップパンク進行ですね。

〇ポップパンク進行(Ⅳ-Ⅰ-Ⅴ-ⅵ、ⅵ-Ⅳ-Ⅰ-Ⅴ)
・ペテルギウス / 優里
・ドライフラワー / 優里
・チキチキバンバン / QUEENDOM

サビの頭のコードに関して

コード進行をもう少し詳細にみてみると、キーの4番目のコードであるⅣ、或いは、平行調の主和音であるⅥmから開始するというパターンが圧倒的に多いです。

これは50曲中35曲が該当しており、これらは歌もの楽曲においてお決まりといえるかもしれません。(残りの15曲中12曲は主和音であるⅠから始まっています。)

Ⅳから始まるコード進行は紹介した王道進行やJust the Two Of Us進行、ポップパンク進行などのほか、Ⅳ-Ⅴ-ⅵ…のような上行進行(「M八七」「ダンスホール」「阿修羅ちゃん」「魔法の絨毯」など)のほか、SOUVENIORで使用されているⅣ-ⅲ-ⅱ…のような珍しい下行進行なども見られます。

下行進行としては、ⅵから始まる「Habbit」などもあり、このような下降進行がサビで用いられるのは珍しいのかなと感じます。どうしてもサビで盛り上がる感じを出すのが難しいからだと思います。

ⅱ、ⅲ、ⅶから始まるのはあまりない

言い換えると、ⅱ、ⅲ、ⅶからコード進行を開始するというのはというのは楽曲においてはあまり見かけないと言えます。ⅱから始まっている楽曲には、田中ヤスタカ作曲のAdo「新時代」、King Gnu「一途」、藤井風「grace」が該当します。顔ぶれを見てみるとJ-popでもすこし異なるサウンドを追及しているアーティストといえるのかもしれません。

まとめ


いかがでしたでしょうか。


今回は、コード進行を網羅的に分析してみました。どれもこれも定番進行でできているというわけではなく、かなりバラエティのあるコード進行になっていることがわかります。また、単純な4コードの繰り返しではなく、あらゆるコードで展開をつけていく楽曲が多いため、非常に複雑な印象がありました。

(ちなみに、個人的にこれらの楽曲の中で一番よく聴いた楽曲は、カメレオンと花の塔ですかね…。いや、ダントツで花の塔ですかね…。)


では!


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だっとさん
ピアノ、ギター、作曲をする音楽家。ポップス、ロック、アニソン、ボカロなどの楽曲分析、音楽理論、DTM、ギター機材関連の情報を発信! Youtubeでも動画配信しているので見てね!

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