King Gnuの「Teenager Forever」です。ソニー CMソングでアルバム『CEREMONY』の収録曲です。転調したりテンポが変化したりとなかなか面白い曲ですよね。楽曲としてはかなり作り込まれているような気がしました。
では、いきましょう!
キー:Fメジャー
(♭1つ)
イントロ
楽曲全体
この曲はシャッフル(16分3連)といわれるリズムで構成されているので注意してください。
「タッカ、タッカ、タッカ、タッカ…」というリズムになります。テンポ=115になっており、全体的に速いです。
2~3小節目
F▵7→Gm7→Am7→A#dim:Ⅰ▵7→Ⅱm7→Ⅲm7→#Ⅲdim
楽曲の中でもかなり印象的な部分です。コード進行としてはダイアトニックコードを順番に上行していくような進行ですね。シャッフルのリズムに乗せてストロークするのが少し難しいかもしれません。A#dimコードは経過音(パッシングディミニッシュ)として考えるといいと思います。前のコードのAm7と次のコードのBm7(♭5)を半音でつなぐ役割をしています。
4~5小節目
Bm7(♭5)→C→C#dim→Dm7:#Ⅳm7(♭5)→Ⅴ→#Ⅴdim→Ⅵm7
ここのBm7(♭5)コードは、次のコードの経過音的な役割と考えていいかもしれません。dimコードを4和音にすると〇m7(♭5)というコードになるからですね。もう少し踏み込んでいくと、Dm6(Ⅵm6)と同じ構成音になるのでトニックの代理コードとして使用されることもあります。
ここのC#dimコードも経過音(パッシングディミニッシュ)です。CコードとDm7コードを半音でつなぐ役割をしています。
2~3小節目のコード進行と合わせてこの楽曲でよく使用されるコード進行です。ひとまずここを弾けるようにすればOKです。
間奏
間奏全体
Vocalの井口さんが全速力で走っていく部分。コード進行自体はイントロと同じです。
Aメロ
Aメロ全体
コード進行はイントロと同じです。
Bメロ
2~3小節目
Gm→F→E♭:Ⅱm→Ⅰ→♭Ⅶ
順番に下行していくようなコード進行になっています。E♭コードは♭ⅦでFナチュラルマイナーダイアトニックコードの借用となります。モーダルインターチェンジですね。
このパートはキー:FメジャーからFマイナーに転調委しているような感じになっています。その印として、初めの小節のメロディにFマイナースケールの象徴であるA♭音が使用されています。
メロディ:「いつまでも、相変わらず…」
「いつまでも」も「ま」の部分にA♭音が使用されています。これは先ほども書いた通り、Fマイナースケールの音です。ここ以外にもBメロでは多用されています。
サビ
1~2小節目
Dm7→Am7→B♭→F:Ⅵm7→Ⅲm7→Ⅳ→Ⅰ
6341進行です。この進行はバラードなどでよく使用されます。
「Desperade / イーグルス」や「蝶々結び / Aimer」などはこの進行です。感情が揺さぶられるというか、かなりドラマティック・感動的な印象を受けるコード進行です。
このコード進行をこのようなアップテンポの曲で使用してくるあたりが素晴らしいセンスだと思います。
3~4小節目
Dm7→Am7→B♭→C→C#dim: Ⅵm7→Ⅲm7→Ⅳ→Ⅴ→#Ⅴdim
次は6345の進行です。C#dimコードは経過音(パッシングディミニッシュ)で、後から挿入された感じです。
この辺が使用されている楽曲は、「Love so Sweet / 嵐」、「雪の花 / 中島美嘉」、「チェリー / スピッツ」、「春よ、来い / 松任谷由美」などですかね。これも同じで、感情が高ぶるような進行です。
サビ(2題目)
サビ(2題目)全体
最初の1~2小節を契機として転調しています。キー:Fメジャー→キー:G♭メジャーの半音上の転調ですね。コード進行自体は変化しません。
1~2小節目
C♭:(Ⅳ)
ここのC♭(B)コード。本来なら次の小節のキーがG♭ジャーなのでD♭コード(Ⅴのドミナントになるため)が使用されるのですが、Ⅳが使用されていますね。かなり珍しい転調のコードだと思います。
そのおかげ(?)で少し大胆な転調になっています。 転調の際の使用コードには一様、セオリーがありますが、楽曲を印象付けるためには多少強引な転調も全然あり(気持ち良ければOK)です。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
この楽曲のポイントはやはりリズムだと思います。シャッフル(16分3連)というリズムが使用されており、しかも結構な速さです。これになれることが演奏するうえでは重要だと思います。
コード進行では唐突な転調が使用されていたりとなかなか面白い楽曲だと思いました。メロディもキャッチ―で印象に残りやすい楽曲ですね。
参考になれば幸いです。
では!