コード進行・楽曲分析

和風音階(ペンタトニック、都節、琉球、律音階)について解説!~和風ポップスの魅力と独特のフレージングについて〜

今回も、日本音楽という観点で考えてみたいと思います。

日本特有の和風ポップスの魅力

日本特有の音楽として、属に「和風」と言われる音楽があります。

もちろん、古来の「雅楽」と呼ばれるような伝統音楽もそうなのですが、今回は、現代の音楽にこれらの要素を取り入れた「和風ポップス」と呼ばれるものについて着目していきたいと思います。

もちろん、これらは日本古来より演奏されている①琴や尺八など楽器の要素、②歌詞、③タイアップ映像コンテンツの印象がかなり強いのですが、今回は、和声的な観点からいろいろ考えてみたいと思います。

和風っぽいフレーズの分析

楽曲を聴いている中で和風ポップスにはかなり印象的なフレーズがあります。それがこういったフレーズです。

中心音から「隣接している音に順行してもとの中心音に戻る」というメロディラインです。さらに、隣接している音に行く際は、もとの音の倍速(16分、32分音符)や3連符になることが多く「タータラ、タッタ」というリズムになります。

例えば、「咲かせや咲かせ」「にんじゃりばんばん」「渡月橋~君想ふ~」「パプリカ」など多くの楽曲に使用されており、この部分だけでも和風なテイストがします。

さらに、リズムにおいては「タータタッタ、タータタッタ」というリズムもよく見られます。

以上のようなフレーズが和風ポップスには使用されており、これらの3つのリズムが和風テイストを出すうえで非常に重要だと考えられます。

和風音階(スケール)について

もちろんフレーズだけでなく、俗にいう”和風音階”と呼ばれるスケールがいくつかあります。一番有名なのが「ペンタトニックスケール」という音階で、これは、メジャースケールの4番目と7番目を省いた「ヨナ抜き音階」と呼ばれるもになります。

これは、メジャーと解釈した場合になり、マイナーとしたときはこのようになります。


さらに和風音階としてよく紹介されるのが「琉球音階」「律音階」「都節(みやこぶし)音階」と呼ばれるようなスケールです。


琉球音階はかなり沖縄に特化したスケールになっており「島唄」などに用いられます。律音階は「君が代」等に使用されており、3度の音がなく、かなり東洋風の音階だといえそうです。

この中で一番特徴的な響きである都節(みやこぶし)音階というのは、琴のチューニング(平調子:ひらじょうし)の一種です。琴は、D音を基本として「レ、ミ♭、ソ、ラ、シ♭」の5音が登場し、これも度数でみると、都節音階と同じになります。


民謡の「さくら さくら」などに使用されている音階になります。

これが効果的に使用されているのはGO!GO!7188の「浮舟」という楽曲で、Key:Emだと考えられるのですが、Bを主音とする都節音階(B都節音階)が使用されています。

なぜ、Key:Emの楽曲で、Bを主音とする音階が使用されているのかという話ですが、これは調号(#1)が一致するからだと考えられます。

B都節音階を見てみると、ちょうど調号が#1つであるため、通常のキーで用いられる音と一致することが多く、ポピュラー音楽では扱いやすい形になるのではないでしょうか。

というわけで、これらのスケールが和風ポップス、和風ロックには効果的に用いられていることが多いということになります。 

まとめ


いかがでしたでしょうか。

今回は、和風ポップスということでいろいろ見てきました。やはり楽器や映像コンテンツの印象が強いというのはありますが、一部、音階(スケール)やフレージングの要素も重要となってくるのかもしれませんね。


参考になれば幸いです。



では!


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だっとさん
ピアノ、ギター、作曲をする音楽家。ポップス、ロック、アニソン、ボカロなどの楽曲分析、音楽理論、DTM、ギター機材関連の情報を発信! Youtubeでも動画配信しているので見てね!

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