隠れ王道進行
ここでいう”隠れ王道進行”とは、楽曲の一部分のみに使用されるものをいいます。これは分類のために個人的にそう呼んでいるだけで、一般的なものではない点をご了承ください。
王道進行(4536進行)といえば、サビの初端からぶっ放すことで、それはもう印象的な響きを漂わせることができるというのは皆さんご存じかと思います
○コネクト / Claris
○fragile / Every Little Thing
○HANABI / Mr.Children
○みくみくにしてあげる / ika
など…
一方、「感電/米津玄師」「今宵月のように/エレファントカシマシ」「正夢/スピッツ」のような一部の楽曲では、サビ冒頭からではなく、楽曲のここぞ!という部分のみに使用されており、サビのメロディにより一層のパワーを与えています。
○感電 / 米津玄師(サビ抜粋)
米津玄師の「感電」の例だと、サビの後半の終止フレーズの部分で挿入されています。確かに、この部分に限っては”妙な安心感”と”キャッチーさ”を漂わせていることがよくわかると思います。
J-pop全盛期の名曲によく見られる手法
このように王道進行をピンポイントで使用する手法は、90年代〜00年代あたりのJ-pop全盛期で多く見られ、この時代のヒット曲のトレンドの響きだったのかもしれません。(楽曲については後述します)
一方、近年では、それほど使用されているような印象はなく、やはりコード進行にも何かしらのトレンドがあることがわかります。
○香水 / 瑛人
○ハルノヒ / あいみょん
など…
ということで、今回は王道進行のピンポイントでの使い方について見ていきたいと思います。
隠れ王道進行が使用されている楽曲
さくらんぼ / 大塚愛
2000年代に大ヒットした「さくらんぼ」という楽曲。実は、このパターンは「カノン進行→王道進行」という流れになっています。
ディグリーでは「G-D-Em-Bm(1563)→ C-D-Bm-Em(4536)」となっており、要は定番コード進行のいいところ取りみたいな 感じで最強です。
カノン進行の場合は「G-D-Em-Bm(1563)+ C-G-C-D(4145)」という進行なのですが後半のC(Ⅳ)が共通しているので、そのまま王道進行に繋いでいます。
さらにいうと、ここで使用される王道進行は、前半のコードと比較してコードの切り替わりが早くなることが多く、ここで一気に勢いが出るという印象になります。
365日の紙飛行機 / AKB48
この楽曲もカノン進行→王道進行という流れになっています。AKB48で言うと「ヘビーローテーション」もこの進行を使用した楽曲になります。
どんなときも。/ 槙原敬之
この楽曲も一昔前のJpopを代表する楽曲です。これも始まりは、似たような流れになっており、その後に隠れ王道進行を持ってくるというパターンになります。
天使にふれたよ!/放課後ティータイム
アニメ「けいおん!」の挿入歌です。これもカノン進行と類似したコード進行から王道進行という流れになっており、このような使い方というのは多いと感じますね。
TSUNAMI / サザンオールスターズ
サザンオールスターズの「TSUNAMI」という楽曲。2000年にリリースされた代表曲です。
これは、D-F#7-Bm7(136)の後に、隠れ王道進行を持ってくるパターンです。これも実はよく使用されるパターン。冒頭に紹介したエレファントカシマシの「今宵も月のように」もこのパターンになっていますね。
Hello again〜昔からある場所〜 / My little lover
これも少し特殊ですが、後半部分に隠れ王道進行を持ってきているパターンです。
前半部分は少し複雑なコード進行になっていますが、後半部分は王道進行(4536)を持ってきており、キャッチーさを残しつつサビが終わるという流れになっています。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
王道進行というとサビ冒頭から使用するというような楽曲が印象的なのですが、案外、ピンポイントで使用されるのもこの進行の魅力なのかもしれません。
参考になれば幸いです。
では!
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