キー(調)理論

Bメロで転調しまくる楽曲6選を紹介する~アニソンやポップスでみられる謎転調~

今回は、転調についてやっていきます。

Bメロで転調を繰り返す

日本ポップスにおけるBメロというのは楽曲において面白い役割をしています。

サビに向かうための準備パートの位置づけで、Aメロ(落ち着き)→サビ(盛り上がり)への場面切り替えを行うことが多く、サビをより印象的にするための重要なパートといえます。

Mr.Childrenの桜井さんもBメロに一番力を入れると言っていたような気がします。洋楽での一般的な楽曲構成が「Verse1→Verse2」という2構成から成り立っていることを考えると、Bメロというのはポップスの特殊性の1つだといえます。


歌ものにおいてBメロを作っている時が一番楽しいという方もいるかもしれませんね。その理由として、遊びが取り入れやすく、すこし奇抜な展開もそれなりに受け入れられる気がするからだと思います。


ということで、今回は、Bメロにおいて転調を頻繁に繰り返す楽曲について見ていきたいと思います。

プラチナ / 坂本真綾

転調といえばこの楽曲でしょう。全体的に転調が多い楽曲ですが、Bメロでも転調が数多く繰り返されています。

平行調マイナーの主和音であるBm7から始まり、A→Bの上行進行で転調先のC#mへと繋がります。そしてまた同じ流れからD#mに着地しています。

Key:D→Key:E→Key:F#という具合に、全音上(+2)の転調を繰り返すパターンで、徐々に高揚感が増していくのがわかります。非常に美しいコードとメロディ展開になっていると思います。 

青空のラプソディ / fhana

この楽曲も転調が繰り返されています。パートの途中では2回の転調です。ツーファイブワン進行(Ⅱ-Ⅴ-Ⅰ)を駆使した転調となっており、このパターンは他の楽曲でもちょくちょく見かけます。

転調としてはKey:A♭→Key:G♭→Key:Eという流れで全音下(-2)の転調を繰り返しています。転調契機のコードとしてはかなり面白け、A♭maj7→A♭7→A♭m7のように同じルート音でコード種類だけを変更したもの(クオリティ・チェンジ)となっています。

GIRLS’ LEGEND U /ウマ娘プリティーダービー

ウマ娘のこの楽曲もツーファイブワン進行を駆使して、Bメロ転調を繰り返しています。全部で3回の転調ですね。こちらの楽曲も前半部分は、Key:B→Key:A→Key:Gといった具合に、全音下(-2)への転調を繰り返しています。

ツーファイブワン進行を駆使した転調となっており、転調契機のコードもメジャーからマイナーコードへのクオリティチェンジを利用したものとなっています。

後半部分は、いきなり楽曲の雰囲気が変化しており、Key:G→Key:A♭の半音転調からのⅡm→Ⅲm→Ⅳ…の上行進行でサビに向かいます。

うまぴょい伝説/ウマ娘プリティーダービー

ウマ娘は転調が多いですね。この楽曲も転調を繰り返します。Bメロで3回、サビへの突入で1回で考えると、全部で4回の転調になります。


Key:D♭→Key:E→Key:D♭→Key:Dとなっており、もはやよくわかりません。前半部分は半音ずつ下行していくコード進行が印象的ですね。

対照的に、後半部分では上行していくようなコード進行が印象的です。

一見わかりにくいですが、コード進行には規則性があります。ディグリーがⅠ/Ⅲ→Ⅳ→Ⅵm→♭Ⅶとなっており、転調前と後では、そのまま半音上がっている流れになっています。

全体的にかなり目まぐるしいコードワークになっており、印象的なBメロなのではないかと思います。これについては別の記事で取り上げていますので参考にしてみてください。

ロマンスの神様 / 広瀬香美

この楽曲も面白い転調がされています。AメロからBメロで1回、途中でKey:B→Key:Aの転調。サビへの突入も含めると4回になります。

転調としては、Key:A♭→Key:B→Key:A→Key:F#という具合に、短3度と全音の転調が繰り返される流れになっています。

Bメロ途中では、メジャーコードを平行に半音ずらすことによって唐突に転調して降り。ここが一番印象的な部分なのではないかと思います。

101 / 3月のパンタシア

アニメ『魔法科高校の劣等生』主題歌にもなっている3月のパンタシアの「101」という楽曲。作曲はボカロPのじんとなっています。

あまり取り上げられない楽曲なのですが、短いスパンで複雑な転調を繰り返しており、目まぐるしい展開になっています。

Key:E♭→Key:F→Key:E♭となっており、全音の転調が繰り返されています。Bメロ転調は全音が多い気がします。

サブドミナントのⅣmaj7を始まりとして、ルート音が下行進行しているのがわかります。その後に、全音上(+2)へと転調してまた同じディグリーでコードが展開していくという流れですね。

ボーカルからも歌うのがかなり難しそうなことが感じとれますね。はちゃめちゃな転調な気がしますが、コードを弾いてみると案外綺麗で美しい響きになっています。

まとめ



いかがでしたでしょうか。


ツーファイブワン進行については、はっきりと転調とは言わずに、”部分的な転調”とも言ったりします。楽曲については他にもたくさんあると思うので、コメントよろしくお願いします。


参考になれば幸いです。



では!

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だっとさん
ピアノ、ギター、作曲をする音楽家。ポップス、ロック、アニソン、ボカロなどの楽曲分析、音楽理論、DTM、ギター機材関連の情報を発信! Youtubeでも動画配信しているので見てね!

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