今回はsus(サス)コードについて見ていきたいと思います。ポップスでは非常によく登場するコードですね。
実際の楽曲も交えて使い方や特徴などを紹介していきたいと思います。
ぜひ参考にしてみてください。
sus(サス)とは?
まず、このsusコードがどのようなものか説明します。
susというのは「吊りあげる」という意味で、メジャーコードでいうところの3rd音(ミ)を4th(ファ)に”吊りあげた”コードがCsus4(サスフォー)になります。
明るい or 暗いといった性質を決定づける音がなくなってしまったわけですから、コードとしては掴み所のない浮遊感に満ちた雰囲気がするという特徴があります。
これと同様の考え方でsus2というコードも存在していて、メジャーコードの3rd音(ミ)を2nd(レ)にするということになります。
コード構成音が「C、D、G」になるため、よく言われるCadd9などのコードとは異なるコードということになります。
これらのコードは、非常に爽やかでキラキラしたサウンド感があるため、ポップスではよく登場するコード群になります。
sus(サス)コードの使い方
浮遊感に満ちたコードですが、使用方法もたくさん。今回は使用方法によって大きく4つに分類して紹介したいと思います。
- 終止コードとしての使い方
- フレーズ(リフ)としての使い方
- 転調のコードとしての使い方
- 無調性の世界での使い方
終止コードとしての使い方
これがsusコードの一番多いパターンです。いわゆるCsus4→Cという具合に本来のメジャーコードに向かって解決するパターンです。
無理やり引っ張りあげた4th音が本来の音に戻ったときに「安心感」「安堵感」が得られるという性質からです。
例えば「マリーゴールド / あいみょん」のサビ部分。このようにフレーズ終わりに使用されることが非常に多いです。
スピッツの「春の歌」なんかもBメロ部分で似たような使い方がされていますね。
涼宮ハルヒの憂鬱の「God knows…」のサビ終わりにも使用されています。さらに、魔法少女まどか☆マギカのOPテーマ曲の「コネクト / Claris」もこのようなパターン。
フレーズ(リフ)としての使い方
イントロのフレーズやリフしても非常に有用なコードです。例えば、以下のような譜例。
C→Csus4→Csus2→Cと変化させているだけですが、非常に爽やかな印象があるのではないでしょうか。
susコードを大胆に使用した楽曲としては、Van Halenの「Panama」という楽曲が有名ですね。「君の知らない物語 / Supercell」の間奏部分(イントロも)なんかでも効果的に使用されています。
転調のコードとして使用する
さらに、sus4というのは、転調の際に使用すると相性が良かったりします。
これは、sus4の持つ浮遊感がキー(Key)を横断するときに非常に使い勝手が良いからだと考えられます。一度、宙に浮いてから違う世界に着地するというイメージですね。
例えば、創世のアクエリオンの転調。sus4コードを連続させることによって、浮遊感を生み出し、スムーズに全音上(+2)の転調に成功しています。
ドラゴンボールの「CHA-LA-HEAD-CHA-LA」のサビ前でもBsus4という浮遊感のあるコードを使用して全音下(-2)への転調へと成功しています。嵐の「Happiness」にも使用されています。sus4コードを異なるKeyの間で連続させて転調に繋いでいますね。
調性を曖昧にする使い方
susコードは調性を曖昧にする役割があるため、近代音楽やモードといったジャンルでも使用されることが多いです。C7sus4として使用すると「四度堆積和音」に近い構造になるためですね。
これについては、こちらの記事を参考にしてみてください。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
susコードは非常にいろいろな使い方があるのがわかってもらえたかと思います。
なんか添え字がついていてよいくわからん…と思う方もいるかもしれませんが非常に便利なコードなのでぜひ使ってみてください。
参考になれば幸いです。
では!