キー(調)理論

楽曲のキー(調)の見つけ方をわかりやすく解説!【実際の楽曲を例に紹介】

今回は、楽曲のキーの見つけ方について紹介したいと思います。

キーがわかると耳コピやアレンジがやりやすくなりますし、楽曲の構造を把握しやすいというメリットがあります。初心者の方はぜひ、参考にしてみてください。


では、いきましょう!

楽曲のキー(調)を見つけるメリット

まず、楽曲のキーを見つけるメリットとはなんなのでしょうか。少し触れておきたいと思います。

キー(調)を見つけるメリット

  • 楽曲で使用されるコード、メロディが把握できる
  • 演奏する時のポジションが絞りこめる
  • アレンジの際、楽曲の雰囲気を逸脱したものになりにくい
  • 自由に移調することができる


他にもいろいろあるかもしれませんが、要は「キー(調)は楽曲で使用されるスケール(音階)、コード(和音)の基準になっている」ということです。

例えば『マリーゴールド/あいみょん』は、キー:Dメジャー(ニ長調)の楽曲ですので、以下のスケールやコードが使用されることが多いです。



キー(調)を見つけられると、これだけの情報を瞬時に把握することができるのですから、使わない手はありません。

なので、演奏やアレンジにおいてもキー(調)を把握するということは非常に重要になってきます。

楽曲のキーの見つけ方

では、実際にキーの見つけ方について見ていきましょう。まず、①楽譜があるは場合②ない場合で大きく異なります。

『楽譜がある時』のキーの見つけ方

楽譜があるのであれば、キー(調)は簡単にわかります。楽譜の前の調号(英語:Key Signature)を見てみましょう。


すると、♯、♭がいくつか書かれていると思います。『マリーゴールド / あいみょん』の場合は、♯2つですね。

そうすると、この楽曲のキーは、Dメジャー(ニ長調)だということがわかります。



「えっ?なぜわかるの?」と思う方もいるでしょう。

これは成り立ちを考えると少しややこしいので、覚えた方が早いです。(コードやスケールのことがわかってくると腑に落ちると思います)

みんなが嫌いな暗記というやつですね。といってもそれほど多くはありません。調号とキーの関係を一覧にするとこのようになります。

#系のキー(調)の一覧

♭系のキー(調)の一覧


実はこれには法則性があって、「5度上のキーにいくと、♯が1つ増える」一方、「5度下のキーにいくと♭が1つ増える」ということになります。

♯と♭の関係というのはちょうど+、-のような関係になっているんですね。

上記の表と楽譜を照らし合わせて把握するというのが、楽譜があるときのキーの見つけ方になります。

『楽譜がない時』のキーの見つけ方

次は、楽譜がないときです。「これを早く教えろよ!」という方も多いと思います。もちろん、耳コピなどを想定している場合は、この方法になります。

楽曲の終わりの音を聴く

一番簡単な方法は、楽曲の終わりの音あるいはコードを聴きとる方法です。『マリーゴールド』の場合はこんな感じ。


終わりの音がD(レ)であればしっくりきそうですね。したがって、この楽曲のキーはDメジャー(ニ長調)となります。

「ね、簡単でしょ?」

そう、非常に簡単です。


なぜこうなるかというと、キーの音で終わると、楽曲として収まりが良いんですよね。まさしく、「あー、終わった…。」「しっくりきたー…。」という感じ。

話すと長くなるのでやめておきますが、そういった性質が音楽にはあるのです。

※別に楽曲終わりでなくてもよいです。サビの終わりなんかでもかなり有効です。

楽曲のメロディを聴く

続いて、メロディを聴きとるという方法です。さっきより少し難易度が高いかもしれません。ですが、これが一番正確な方法なのです。

もっと具体的にいうと「メロディに♯、♭がいくつ使用されているか」を見つけることになります。例を見ていきましょう。


サビでは、♯が2つ使われていますね(ピアノの黒鍵を2つ使う必要がある)。

そうなると、この楽曲の調号は♯2つということになり、先ほど紹介した表から、この楽曲のキーはDメジャー(ニ長調)ということになります。

なぜこれが正確かというと、楽曲の終わりだけだと「転調をしているとき」や「楽曲がキーの音で終わっていない」という少しイジワルな楽曲に対応できないからですね。

この方法だと、転調していても各パート(Aメロ、Bメロ、サビ…)でキーがわかるので正確ということになります。

コード進行から推測する

これは少し難易度が高いかもしれませんが、コード進行を見てキーを推測することもできます。慣れてくるとこの方法が一番楽です。

楽曲にはそのキーを特徴づける典型的なコード進行があるんですね。音楽理論では”カデンツ”といったりします。そういったコード進行の代表格が、以下のようなものです。

キーを決定づけるコード進行例

  1. G→A→D(Ⅳ→Ⅴ→Ⅰ)
  2. D→A→D(Ⅰ→Ⅴ→Ⅰ)
  3. D→G→D(Ⅰ→Ⅳ→Ⅰ)

この楽曲では「① G→A→D」というコード進行がたくさん使用されていますね。こういったコード進行があれば、その楽曲のキー:Dメジャーということになります。


ちなみに、ジャズのようなコード進行を主体として転調を繰り返す楽曲では、この方法がメインとなります。

なぜこうなるかということについては、長くなりそうなので、また今度にしたいと思います。(※カデンツという用語で調べるとヒットするかと思います。)

ポピュラー音楽における注意点

最後に少し注意点を話しておきましょう。調号と♯、♭の表を見たときに疑問に思った方もいるかもしれません。「Dメジャーて言うてるけど、Bマイナーも♯2つやんけ。」



はい、その通りです。

ポピュラー音楽の場合は、このメジャーとマイナーの区別がわかりにくい曲が多いのです。(むしろ、これがポピュラー音楽の特徴でもあるのですが…)

そうなった場合は、メロディやコード進行、楽曲の印象で把握するしかありません。

今回は、比較的明るい印象の『マリーゴールド / あいみょん』を例にしましたので、メジャーキー(長調)だということがすぐにわかりますが、それでもわかりにくい楽曲があるのも事実。

そういった場合は、敢えてキーを決めてしまう必要はないかと思います。

「Dメジャー(ニ長調)かBマイナー(ロ短調)やろなー。」ぐらいでOKです。

「そんな曖昧なのは嫌だ!」という方は、ひとまずメジャーキー(長調)にしておくのをオススメします。その方が馴染みがあるし不便なことも少ないので…。

もともと、長調と短調をはっきり区別するというのは、クラシックに代表される古典音楽の名残であるため、現代の音楽に対してその理論を当てはめるのは無理があるのかもしれません。


ということで、ポピュラー音楽では「メジャーキーだ!マイナーキーだ!」と厳密に決めてしまうことは必要ないことが多いこともあります。

まとめ


いかがでしたでしょうか。


初心者の方にもなんとなくわかってもらえたかと思います。「なぜ?」を考えると理論的に複雑になってしまうので、ひとまずはこれらの方法でキー(調)を見つけていくことから始めるとよいかと思います。

参考になれば幸いです。


では!


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だっとさん
ピアノ、ギター、作曲をする音楽家。ポップス、ロック、アニソン、ボカロなどの楽曲分析、音楽理論、DTM、ギター機材関連の情報を発信! Youtubeでも動画配信しているので見てね!