今回は、音程(インターバル)について話です。
音程(インターバル)とは?
音程というものについて簡単に説明しておきます。これは、要は「音と音の間隔」のことで、例えば、ド→ミの間隔は、鍵盤上で全音離れており、これを「長3度」と言います。
楽曲というのは、音程の連続で出来ており、その感覚や印象はメロディを感じとるうえで重要になっています。
音楽をやっている人にとっては当たり前なのですが、これらを感覚的に捉えるというのは、演奏や作曲、耳コピにおいて非常に重要だといえます。
今回は実際の楽曲などを例にそれらの響きを感じていくという内容になっています。
音程(インターバル)を全盲羅!
ということで、音程(インターバル)について楽曲を例に取り上げてみたいと思います。
短2度(minor 2nd)
まずは「短2度」。この音程は鍵盤では「半音隣の音」なので強烈な印象があります。したがって、よくも悪くも諸刃の剣といったサウンド感。
映画「ジョーズ(JAWS)」のテーマがまさしくそうですね。冒頭からこの音程が連続されているのでかなり不穏な雰囲気を感じます。
・Isn’t She Lovery / Stevie Wonder
・冒険の旅 / ドラゴンクエストⅢ そして伝説へ…
・Stickerbush Symphony / スーパードンキーコング2 ディクシー&ディディー
長2度(Major 2nd)
次は「長2度」。これはメジャースケール内の音なのでかなり馴染みがあるサウンドなのではないでしょうか。例えば、「きよしこの夜」の冒頭は長2度の音程になっていますね。
・Happy birthday(誕生日の唄)
・Frere Jacques(童謡:グーチョキパーでなに作ろう)
・Automn Leaves(枯葉)
短3度(Minor 3rd)
次は、「短3度」。これは音楽におけるマイナー感(暗さ)を印象づけるサウンドです。
「ジングルベル(Jingle Bells)」なんかはそうですね。明るい曲のはずがm3rdが使われているのはなかなか面白いところ。YOASOBIの「群青」という楽曲もこの短3度音程になります。
・仁義なき戦いのテーマ
・童謡:春の小川
長3度(Major 3rd)
一方、長3度というのは音楽におけるメジャー感を演出する響きです。
ちょうど、オクターブの1/3の音程になります。楽曲としては、ヴィバルディの四季より「春」なんかが有名ではないでしょうか。確かに明るさがあって爽快な気分です。
・Sir Duke / Steivie Wonder
・聖者の行進
完全4度(Perfect 4th)
続いて「完全4度」という音程。これは浮遊感や壮大さを感じさせる印象です。例えば「Amazing Grace(アメイジング・グレイス)」がそうですね。
さらに、ウォーターボーイズのテーマ曲「Bom-Ba-ye」。ドラゴンクエストの「序曲」などにも使用されていたりします。ゲーム音楽に多い気もしますね。
・冒険の旅 / ドラゴンクエストⅢ そして伝説へ…
・FINAL FANTASY メインテーマ / FINAL FANTASY
・Green Greens / 星のカービィ
減5度、増4度(トライトーン、三全音:Tritone)
続いて「減5度(増4度)」です。これは、トライトーン(三全音)とも呼ばれ、ドミナント(○7)構成音としてかなり重要な位置付けです。
たた、サウンドとしてはかなり奇妙であり、短9度と同様に不穏な雰囲気がします。
海外のプログレバンドRushの「YYZ」という楽曲の冒頭にも使用されています。変拍子と合間って複雑なサウンドです。
・The Simpson Theme(シンプソンのテーマ)
・トキワの森 / 初代ポケモン赤・緑
完全5度(Perfect 5th)
「完全5度」は、安定感に満ちた力強いサウンドが特徴。かなり印象に残りやすいと思います。例えば映画「スターウォーズ(Star Wars)」のテーマ曲なんかそうですね。
この楽曲の作者であるJohn Williamsは、この跳躍で有名です。他には、「ET」「ジュラシックパーク」の楽曲など。かなり力強いサウンド感が特徴なのではないかと思います。※譜面はETのテーマ
・きらきら星
・My Favorite Things
・Mr. Incredible Theme
・もののけ姫
・ツキミソウ / Novelbright
・あなた / 宇多田ヒカル
・GLAMOROUS Sky / 中島美嘉
短6度(Minor 6th)
続いて「短6度」です。どこかシックでおしゃれな印象がします。これは、久石譲さんの「海の見える街~魔女の宅急便より~」で使用されていますね。
・The Entertainer / Scott Jopin
・ワルツ第7番 Op.64 No.2 / ショパン
長6度(Major 6th)
「長6度」。完全5度のような力強さはありませんが、華やかで美しい雰囲気がするのではないでしょうか。「見上げてごらん夜の星を」という楽曲で使用されていますね。
・ノクターン Op.9 No.2 / ショパン
・童謡:まっかな秋
・川の流れのように / 美空ひばり
・Dynamite / BTS
・インフェルノ / Mrs.GREEN APPLE
・ギブス / 椎名林檎
短7度(Minor 7th)
次は、「短7度」です。個人的にはロックのリフが思い浮かんでしまうので、紹介しておきます。、Red Hot Chili Peppersの「Can’t Stop」です。
長7度(Major 7th)
長7度です。これも基音と半音の関係にあるので、響きとしては不協和音ぎみに感じる方もいるかもしれません。オクターブとは違って微妙な間隔なので歌うのは難しいです。
映画「Superman(スーパーマン)」のテーマに使用されています。King Gnu「カメレオン」は長7度の関係になっていますね。
オクターブ(Octave)
最後は「オクターブ」です。これは単純にハイトーンになるため印象深いサウンドとなります。楽曲においてインパクトを残すため、歌ものにもかなり頻用されています。
「星に願いを」に使用されていますね。さらに、松任谷由実さんの「やさしさに包まれたなら。」もこのオクターブの音程が使用されています。
・Somewhere Over The Rainbow
・Pruple Haze / Jimi Hendrix
・うっせえわ / Ado
・シャルル / バルーン
まとめ
いかがでしたでしょうか。
今回は、音程についてみてきました。なんとなくの印象や感覚があるとメロディ構築や、耳コピなんかにも役立つかもしれませんね。
参考になれば幸いです。
では!