第8回は、マイナースケールについてです。
ギタリストはこれから覚える人も多いのではないでしょうか。メジャースケールだけでなく、マイナースケールも使いこなせると音楽の視野が広がります。
では、いきましょう!
マイナースケールとは?
マイナースケールは、単純に言うと「暗い響きのするスケール」です。明るい響きのするメジャースケールとは対称的な存在なのです。
フォークソングや演歌などはマイナースケールを使用した曲が多いと考えていいでしょう。クラシックだとベートーヴェン「運命」や、ショパン「革命 (Etude Op.10-12)」なんかが有名なのではないでしょうか。
情熱的&悲しげな雰囲気を出すのに適したスケールだともいえるでしょう。では、これについて見ていきましょう。
マイナースケールの種類
なんとマイナースケールは3種類あるのです。
・ナチュラルマイナースケール(自然短音階)
・ハーモニックマイナースケール(和声短音階)
・メロディックマイナースケール(旋律短音階)
「えっ!?」と思いますよね。ですが、安心してください。よく使用されるのは1つで、たまに2つが出てくるような感じです。順番にみていきましょう。
ナチュラルマイナースケール(自然短音階)
ナチュラルマイナースケール(自然短音階)は「全・半・全・全・半・全・全」という音の並びで構成されています。
例えば、基準の音を「ラ」としたときのAナチュラルマイナースケールは以下のようになります。
実は、ナチュラルマイナースケールはメジャースケールから派生したマイナースケールなのです。そのため、Cメジャースケールの6番目の音である「ラ」から始めるとAナチュラルマイナースケールになるんですね。
つまり、AマイナースケールとCメジャースケールは、始まりの音が違うだけで、同じ音が使用されています。
なので「自然」に発生したということで「自然短音階」という呼び方になっています。
現代の音楽では、マイナースケールというと基本的にはこのナチュラルマイナースケールが使用されることになります。
ハーモニックマイナースケール(和声短音階)
ハーモニックマイナースケール(和声短音階)は「全・半・全・全・半・(全+半)・半」という並びです。
しかし、この並びを覚える必要はありません。ナチュラルマイナーの7度の音が半音上がったスケールと覚えればいいでしょう。
このスケールは「ファ」と「ソ#」の間隔が大きく開いてるため、非常に「クセ」のある響きがするんですね。これが心地よかったりするのですが、かなり個性のあるスケールですので、使い時には注意しましょう。
ギタリストのイングヴェイ・マルムスティーンなんかはバンバン使用するスケールです。ジャンルで言うと、メタルなどでよく見かけるスケールです。
メロディックマイナースケール(旋律短音階)
メロディックマイナースケール(旋律短音階)は「全・半・全・全・半・全・全」という並びです。
ハーモニックマイナーの「6度の音を半音上げた」スケールであり、良くも悪くも癖の少なくなったスケールとなっております。
というのも、ハーモニックマイナー独特の癖をなくすために考案された経緯があります。中東的なアラビアンな感じがしますよね。ジャズでたまに使用されるスケールです。
マイナースケールの覚え方
最後に覚え方をまとめておきます。人によってさまざまで、全てを覚える必要はないですが、以下のように覚えると楽でいいと思います。
ナチュラルマイナースケール
Cメジャースケールの「6度の音から始めた」スケール
ハーモニックマイナースケール
Aナチュラルマイナースケールの「7度を半音上げた」スケール
メロディックマイナー
Aメジャースケールの3度の音を「短3度」にしたスケール
まとめ
いかかでしたでしょうか。
マイナースケールは3つあるのですが、変化した部分だけに着目すればそれほど難しくありません。また、ポップス、ロックではほとんどがナチュラルマイナースケールなので、とりあえずこれだけ覚えておけば問題ないでしょう。
今回のポイントは4つ。
①マイナースケールは暗い響きのするスケールであり、3種類存在する。
②ナチュラルマイナー(自然短音階)が最も基本で、メジャースケールの6番目の音から始まるスケールである。
③ハーモニックマイナー(和声短音階)は、ナチュラルマイナーの短7度を半音上げたスケールであり、癖のある響きがする。
④メロディックマイナー(旋律短音階)は、ハーモニックマイナーの短6度を半音上げたスケールで、中東風の響きがする。
参考になれば幸いです。
では!