~ミックスナッツ / Official髭男dismの超絶コード進行とピアノパートを解説してみる~
今回は、アニメ「SPY×FAMILY」主題歌になっているOfficial髭男dismの「ミックスナッツ」についてみていきたいと思います。
イントロ(冒頭)
イントロ冒頭はカオスな感じですが、スケールは、G♭ドリアンスケール(Dorian Scale)となっています。これは、6番目の音が、m6ではなくM6になっていますね。
ただ、この楽曲に至っては最後の最後は、m6の音を使用しており、マイナースケールとの組み合わせになっています。(※G♭Minorというのは本来ありませんが、この後の流れを汲んでG♭Minorにしました)
Aメロ
AメロのKey:G♭(♭6)となっています。ウォーキングベースなのでコードは聴き取りにくいですが、採譜するとこんな感じになるかと思います。
後半部分もかなりややこしいですが、最後の部分はサブドミナントマイナー(Ⅳm)というやつですね。
Bメロ
Bメロで転調しており、Key:A(#3)になります。ダイアトニックコードを5度で進行してF#(ⅵ)へと向かいますが、最後の部分でF#maj7が使用されているのが奇想天外。
ここはKeyから考えるとF#m7になるはずなので、ピカルディ終止のような用法になっています。Official髭男dismはよくこの手法を使いますね。CryBabyのサビ終わりはわかりやすいですね。
後半部分もさらに転調しており、Key:D(#2)になっています。これも基本的には5度進行でサビに向かいます。最後の部分は多少ややこしいコードになってしまいましたが、ギターコードとベース音を採譜したらこうなりました。
サビ
サビで転調して、Key:G♭(♭6)に戻ります。コード進行はJust The Two Of Us進行に似た感じです。
さらに、つづく部分も同じような響きのコード進行になっており、比較してみるとかなり似ていることがわかります。
Official髭男dismはこのコード進行をよく使用する傾向にあり『Universe』や『アポトーシス』などでも見られます。
転調について
今回も、転調が多い楽曲となっていました。まとめるとこんな感じです。
短3度(+3)の転調
AメロからBメロの転調は短3度(+3)の転調になっています。これは定番で転調コードにもB♭7(Ⅲ7)が使用されています。
完全4度(+5)の転調
Bメロの途中で、Key:A(#3)→Key:D(#2)へと転調していますが、これは完全4度(+5)の転調というもの。
近年のヒット曲で使用されている例としては「うまぴょい伝説」のサビなんかで使用されていますね。
長3度(+4)の転調
BメロからサビはKey:D(#2)→Key:G♭(♭6)になっており、長3度(+4)の転調となっています。
転調契機のコードは少しややこしいですが、ベース音が下降して主和音であるF#(G♭)にたどり着くという進行になっています。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
今回は、ミックスナッツについてやってきました。髭男お得意のジャジーなアプローチが満載の楽曲でしたね。アニメの雰囲気にぴったりだと思います。
参考になれば幸いです。
では!
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