音楽理論

【徹底調査】楽曲にイントロやギターソロは必要ない!?〜新たな視聴スタイルに合わせた楽曲構成の変化〜

今回は、楽曲構成について探っていこうかなと思います。調査結果の報告です。

楽曲にイントロはいらない?

今回の話題は「近年の楽曲は、歌から始まることが多い?」という疑問についてです。これはにわかに聞いたことある人も多いと思います。パッと思いつくのは「Lemon」「白日」「紅蓮華」「夜に駆ける」などですかね。


これは、皆さんご存知の通り、視聴スタイルの変化や商業的な部分が大きく関係しており、現代のエンタメコンテンツが「ファーストインプレッション」が重要だということが背景にあります。


近年のSNSを思い浮かべると分かりやすいかもしれません。「Tiktok」や「YouTube Short動画」は、パッと見て面白くなければ、フリックして次の動画に切り替わります。パッとみてグっとこなければ見ないということですね。

(この記事もダラダラと前置きが長いのはよくありません…)

この風潮が音楽にも反映されているのかもしれません。手軽に聴けるストリーミングサービスが普及しているので展開が遅い楽曲というのはあまり好まれない傾向にあるのかもしれません。

楽曲時間も短くなっている

楽曲構成という部分では、もう1つ気づかされることがあります。それが「楽曲時間が短くなっているんじゃないか?」ということです。

個人的に驚いたのが、ボーカロイド楽曲です。これはかなり顕著で「グッバイ宣言」「フォニイ」「マーシャルマキシマイザー」等は、Fullでも2分後半〜3分前半くらいしかなく、かなり驚きました。

これも先程と似た理由で、じっくり聴く機会が少なくなっているという背景があるかもしれませんね。(そもそもアウトロまで楽曲を聴くこと自体ほとんどないのではないでしょうか)


こういった背景も含めて、今回は、実際どうなのか?ということについて、近年(2019~2021年)〜10年前(2008~2010年)のヒット曲について、①冒頭の入りの部分②楽曲時間について比較調査してみました。

楽曲ラインナップが懐かしい

日本におけるトレンド楽曲の指標として『BillBoard JAPAN Hot100』の上位30位を参照し、全ての楽曲の①冒頭の入り部分②楽曲時間について集計しました。

<本記事の歌い出しの定義>
① 2小節以上の前奏を含まない。(例)リバース処理を行ったフェードイン系等は前奏として含まない
② 「ワン、ツー、スリー!」のカウント系やタイトルコールなどは”歌い出し”ではない。
③ 「Oh~、Ah~」などのハミング系も”歌い出し”ではない。



楽曲ラインナップをパッと見ていきましょう。2019~2021年は記憶に新しいと思いますので省きます。



2010年は、嵐とかAKB48といったアイドル楽曲が日本のトレンドであったので、こういったアーティスト楽曲が目立ちます。※もちろん、これは商業的な意味では非常に重要なのでサンプルに含めます。

順位(2010年)曲名アーティスト
1Troublemaker
2Monstar
3ヘビーローテーションAKB48
4Love Rainbow
5Dear snow
6果てない空
7VICTORYEXILE
8This is loveSMAP
9To be free
10本当は怖い愛とロマンス桑田佳祐



2009年も、やはりジャニーズ系の楽曲は多くみられますが、B’zの「イチブトゼンブ」などが見られてうれしいですね。あと洋楽が多くみられたというのもすこし気になりました。

順位(2009年)曲名アーティスト
1イチブトゼンブB’z
2Believe
3My SunshineROCK’ATRENCH
4コブクロ
5マイガール
6ひまわり游助
7Everything
8明日の記憶
9愛のままで…秋元順子
10SomedayEXILE


2008年は、Greeenの「キセキ」、Mr.Childrenの「HANABI」やSuperflyの「愛をこめて花束を」など。さらに「崖の上のポニョ」とかもランクインしており、バラエティに富んだラインナップになっているのではないでしょうか。

順位(2008年)曲名アーティスト
1キセキGreeeen
2そばにいるね青山テルマ
3I AM YOUR SINGERサザンオールスターズ
4HANABIMr.Children
5LIFEキマグレン
6GIFTMr.Children
7truth
8One Love
9美しき生命(Vila La Vida)Coldplay
10羞恥心羞恥心


集計結果

① 歌メロから入るのはやはり多くなっている

集計結果を見ると、かなり顕著な傾向が見られていると思います。2021年では13曲/30曲の約半分が”歌い出している”という結果になっています。


これは冒頭で紹介した楽曲の通り、YOASOBIの「夜に駆ける」「怪物」や、Adoの「うっせぇわ」「踊」などがあげられます。あとは、BTSの「Dynamite」も歌い出す楽曲は多かったという結果になっています。


2019~2020年も似たような傾向にあり、やはり”歌い出す”というのは楽曲構成において重要だということがわかります。

一方で、2008年~2010年は一桁台ということで、イントロから入るというのが普通だったといえますね。一方、Mr.Childrenの「GIFT」は歌い出し。個人的に懐かしかったのが「My SunShine」や「虹 / Aqua Timez」など。これも歌い出しの楽曲となっていました。

②楽曲時間はやはり短い傾向

楽曲時間に関しては、歌い出しほどは顕著ではないですが、微妙に短くなっている結果といなりました。

ただ、20秒ぐらいというのは楽曲においては結構でかくて、間奏とかギターソロはこれくらいの時間だと思います。なので、こういったパートというのは省かれる傾向にあるのかもしれません。


2021年では、平均値と中央値ともに4:00以下となっていて、日本におけるストリーミングの普及やShort動画の風潮が少なからず反映しているような結果となりました。

短期決戦の楽曲がトレンドか?

これまでの傾向を考えると、やはり展開が早い楽曲、インパクトをはじめに持ってくるような、”短期決戦より”の楽曲が増えているのではないかと思います。

こういった楽曲が良いという意味で全くもってないですが、視聴スタイルの変化やトレンドに合わせるという観点では意味のあるものなのかもしれません。(すこし、商業的な話になってしまったのは申し訳ありません…)

まとめ


いかがでしたでしょうか。


今回は少し変わった話題だったと思います。この辺については、リスナーの観点はもちろん、このサイトはクリエイターの方も多いと思うのでそういった観点、はたまた、クライアントの観点からも色々思うことがあるかと思いますので、ぜひ、コメントよろしくお願いします。


参考になれば幸いです。



では!


ABOUT ME
だっとさん
ピアノ、ギター、作曲をする音楽家。ポップス、ロック、アニソン、ボカロなどの楽曲分析、音楽理論、DTM、ギター機材関連の情報を発信! Youtubeでも動画配信しているので見てね!

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