ボカロ

ボカロ神曲における4つ打ちリズムの汎用性~DECO*27、ピノキオピー、Kanaria、ツミキなどの楽曲を通じて~

ボカロ楽曲のリズム

ビートについて分析していきます。そこで、パっと思いついたのが、楽曲における「4つ打ち」というリズムについて。

4つ打ちとは「キックが等間隔に鳴らされる」こと。もっと限定すると、1小節に4分音符で4回のキックが鳴らされることから「4つ打ち」なんていう言い方をします。

非常にシンプルで単調な感じもするのですが、そのぶん聴き手はリズムがとりやすく、ノリがいいものになりやすいため、ダンスミュージックでよく取り入れられていると言われます。

さらに、BPM120前後だと心臓の鼓動に近い速さとも言われるため、人体構造的にも理にかなっているといえそう(?)です。

そんな4つ打ちなのですが、どうやら「ボカロは4つ打ちでいい」というのをまことしやかに聞いたので、これについてマジでそうなのか。みていきたいと思います。

ボカロの神曲

最近(2022年12月7日より)、ビルボードジャパンに導入されたニコニコ VOCAROID SONGS TOP20」を参照していきます。

2023年2月1日公開ランキングはこのようになっており1位はKanaria「酔いどれしらず」、2位は2019年リリースの「フォニイ」となっています。5位にはバズリにバズッた「神っぽいな」「グッバイ宣言」などがあります。19位には、DECO*27「ヴァンパイア」がありますね。

集計結果

20曲について、Aメロ、Bメロ、サビを集計しています。わかりやすいようにキックが1小節に4回鳴っているものを4つ打ちとして集計しています。

※楽曲の1番のみ集計しています。部分的に使用されているものは△としました。

楽曲 / アーティストイントロ
(間奏)
AメロBメロサビ
酔いどれ知らず / Kanaria×
フォニィ / ツミキ
ラヴィ(Lavie) / すりぃ
ローリンガール / wowaka××××
神っぽいな / ピノキオピー×××
デビルじゃないもん / DECO*27×ピノキオピー××
ロウワー / ぬゆり
グッバイ宣言 / Chinozo
ダーリンダンス / かいりきベア×
KING / Kanaria
アイデンティティ / Kanaria××
バグ / かいりきベア××
きゅうくらりん / いよわ××××
エゴロック / すりぃ××
QUEEN / Kanaria
魔法少女とチョコレゐト / ピノキオピー×××
転生林檎 / ピノキオピー
マーシャルマキシマイザー / 柊マグネタイト×
ヴァンパイア / DECO*27
ノンプレイス・オブリージュ / ピノキオピー××

ボカロは4つ打ち

結果からいうと、ボカロは4つ打ちは割とマジだったということになります。ミックスもキックが前面に押し出されている印象があり、これもボカロっぽくなる要素の1つだといえるもかしれません。

(トランジェントでキックのアタックを強調し、ノイズゲートでぼやっとした余韻をカットしてあげると、歯切れの良い抜けのあるサウンドになるかもしれません。コンプが得意な人はコンプでもいけます。)

サビの4つ打ちの多さ

集計してみると、サビでは20曲中15曲が4つ打ちの楽曲となっており、近年のボカロサウンドの定番だと言えます。一昔前のローリンガールがこれらの要素を全く感じられないことからも、近年の流行りのサウンドといえそうです。

楽曲としては、Kanaria「酔いどれ知らず」や、つみき「フォニイ」、柊マグネタイト「マーシャルマキシマイザー」、DECO*27「ヴァンパイア」などが該当します。ミックスもキックが一段と目立っており、”ザ・4つ打ち”という感じだと思います。

他のパート(イントロ、Aメロ、Bメロ)について

集計を続けていくと、部分的に使用されているものも多いのですが、イントロが12曲/20曲、Aメロが10曲/20曲と半数以上が4つ打ちとなっています。

一方、すこし異なる展開が求められるBメロでは6曲/20曲となっていますが、部分的に使用されていることも多く、それらを合わせると半数近い楽曲で使用されていることになります。

全部4つ打ちの楽曲とアーティスト

これらの中でも、楽曲を通して一貫して4つ打ちが使用されているのは「QUEEN」「ロウワー」「グッバイ宣言」「転生林檎」の4曲です。

特に、Kanariaというアーティストは、今回のランキングに該当する「酔いどれ知らず」「KING」「アイデンティティ」「QUEEN」 全てのサビで4つ打ちとなっており、かなり特徴的なアーティストだといえそうです。

このようにボーカロイドでは4つ打ちがこのもあれる傾向にあるといえそうです。

まとめ

いかがでしたでしょうか。


やはり、ボカロはノリが良い楽曲が好まれそうですね。ビートの要素が全面に出たアレンジも多いのかなと感じました。


このようなサウンド傾向になったのは、いつ頃からなのでしょうか。もし詳しい方がいれば教えてもらえると嬉しいです。


参考になれば幸いです。



では!

ABOUT ME
だっとさん
ピアノ、ギター、作曲をする音楽家。ポップス、ロック、アニソン、ボカロなどの楽曲分析、音楽理論、DTM、ギター機材関連の情報を発信! Youtubeでも動画配信しているので見てね!

COMMENT

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA