今回は、サブドミナントマイナー(Ⅳm)について解説していきたいと思います。
最も扱いやすく、かつ、使用頻度が高いと言っても過言ではないくらいよく使われるコードです。この記事では、実際の楽曲を交えて解説していきたいと思います。
では、さっそくいきましょう。
サブドミナントマイナー(Ⅳm)とは?
早速ですが、サブドミナントマイナー(Ⅳm)についてみていきましょう。
これは、「ダイアトニックコードの4番目のコードをマイナーコードにする」というもの。
通常であれば、ここはメジャーコード(F)で機能はサブドミナントなのですが、これをマイナーにしてしまったので、サブドミナントマイナー(Subdominant minor)と呼ぶことになっています。
同主調のコードを借りてくる
では、このFmコードがどこから来たコードなのかというと、それは「同主調のダイアトニックコード」からやってきたコードになります。
従って、感覚としては、メジャーキーにいきなりマイナーキーの世界が混じるという感じ。そのせいもあってか、「どこか暗く、切ない響きがする…」と言われているのがこのサブドミナントマイナーになります。
シーソーゲーム〜勇敢な恋の歌〜 / Mr.Children
例えば、Mr.Childrenの『シーソーゲーム〜勇敢な恋の歌〜』のサビ部分。これは、Key:E(#4)における4番目のコードであるAコードが次の小節でAmに変化しています。
風になる / つじあやの
さらに、猫の恩返しの主題歌である『風になる/つじあやの』という楽曲。
これは、BメロのサブドミナントマイナーであるFm(Ⅳm)が「悲しみにくれないで..」という部分に挿入されており、どこか切ない雰囲気を放っています。
ちなみに、私はこの楽曲で初めてサブドミナントマイナーの存在を知りました。これが典型的なサブドミナントマイナー(Ⅳm)の使い方で、コード響きの特徴になります。
使用されている楽曲
ポップスでは頻出コードなので、本当に色々な楽曲で使用されていますが、いくつか有名楽曲をピックアップして紹介します。
愛を込めて花束を / Superfly
Superflyの『愛を込めて花束を』といいう楽曲。これは、イントロ部分でサブドミナントマイナー(Cm)が使用されていますね。
そのままでも十分美しいのですが、サブドミナントマイナーにすることで、グッと切ない雰囲気が演出されています。
ちなみにこの楽曲は、Dm7(Ⅴm7)の部分も同主調(Key:Gm)のコードを使用しており、これもなかなか存在感を放っているサウンドになっています。
群青日和 / 東京事変
東京事変の『群青日和』です。Cメロの「突き刺す12月と、伊勢丹の息が…」の部分にサブドミナントマイナーが使用されています。これも、冒頭で紹介したⅣ→Ⅳmというパターンになっています。
ドライフラワー / 優里
近年ヒットした「ドライフラワー」という楽曲。これは、サビの終止感に繋がる部分に挿入されており、かなり特徴的な使い方がされています。
これを本来のメジャーコード(C)にしてみると、何ともシンプルな感じですね。サブドミナントマイナーにしてはじめて、”色褪せる”といった感じです。
秒針を噛む / ずっと真夜中でいいのに。
これは、サビのここぞという部分で使用されています。この辺のコード展開はかなり癖になりますね。これはメロディはそのままのですが、コードだけが同主調の借用和音となっている例です。
シュガーソングとビターステップ / UNISON SQUARE GARDEN
血界戦線テーマ曲の「シュガーソングとビターステップ」という楽曲です。これは、サビのラストの部分で使用されていますね。ここもやはり、普通のBコードでは味気ない気がしてしまいます。(恐らく、前の小節のG#m7がBとコード構成音が似ているからなのかな…と思います。)
まとめ
いかがでしたでしょうか。
今回は、サブドミナントマイナーについて紹介しました。有名曲にも使用されており、かなり色々な場面で使用できるコードなので積極的に使ってみてください。
参考になれば幸いです。
では!