コード(和音)理論

ツーファイブワン進行(2-5-1進行)の魅力と楽曲における使い方(Two five one progression the songs)

今回は、コード進行の話をしたいと思います。

ツー・ファイブ・ワン進行の魅力

今回は、ツーファイブワン進行(2-5-1進行)ということでやっていきます。これは音楽における「終止形コード進行」の代表格で、クラシックやポップスでよく使用される、F→G→C(Ⅳ-Ⅴ-Ⅰ進行)と比べると少し響きが異なります。

〇Ⅳ-Ⅴ-Ⅰ:チェリー、マリーゴールド、Lemon など..


〇Ⅱm-Ⅴ-Ⅰ:勿忘、風になる、変わらないもの など..


人によっては、あまり変わらないと思うかもしれません。というのも、これは、サブドミナントであるⅣを同じくダイアトニックにおけるサブドミナント機能をもつⅡmに置きかえているとも解釈でき、コード機能的には変化しないといえるからです。

これらのコード進行は、基本的にはメジャー系、マイナー系の2種類に分類され、これは主に楽曲のスケールから引用されることになります。


ただ、実際の楽曲では、これらに限らず、様々なコードの組み合わせが存在し、楽曲における終止感に若干、異なる彩りを与えるものとなっています。(モード変化とも言います)

Ⅱm→Ⅴ→Ⅰm:Yeasterday /The Beatles

これは、マイナー系のツーファイブワン進行なのにも関わらず、本来はEm7(♭5)であるはずの部分がEm7になっており、若干、通常とは異なる響きになっています。

Yesterday冒頭:「yesterday alll my~…」

さらに、この楽曲では、メロディにも臨時記号がついており、スケールで考えるとDメロディックマイナースケールからの引用だといえます。

Ⅱm(♭5)→Ⅴ→Ⅰ:ミックスナッツ / Official髭男dism

Official髭男dismのミックスナッツという楽曲の場合は、本来、マイナー系のツーファイブワン進行になるはずが、解決先のコードがFma7(Ⅰmaj7)に解決してしまっているパターンになっています。

ミックスナッツ Bメロ:「文字通り書いた~…」

Ⅱ7→Ⅴ→Ⅰ:空も飛べるはず / スピッツ

これはⅡmの部分がⅡ7になっている例です。これは、セカンダリードミナントの仲間で特にはドッペルドミナント(ダブルドミナント)と呼ばれており、これもある意味、ツーファイブワン進行の仲間ということになります。

「空も飛べるはず サビ:空も飛べるはず~…」

Ⅱ7→Ⅴ→Ⅰm:サウタージ /ポルノグラフィティ

これは、先ほどのドッペルドミナントのマイナーコードに解決するパターンで、これはこれで独特の響きをもったフレーズになっています。

サウダージ 冒頭サビ:「その日までさよなら~…」

さらに、この楽曲にいたっては、メロディも臨時記号がついており、これもまたEメロディックマイナースケールの引用だと考えられますね。

ツーファイブワン進行の転調手法

さらに、このコード進行は、音楽的には「カデンツ(Cadenza)と呼ばれており、楽曲のKeyを決定づけるコード進行になっている側面もあります。

このような性質から、これらは”転調契機のコード”として扱われることがあり、ジャズでは、このようなアプローチが特に多いです。

John Coltraneの「Giant Steps」という楽曲は、これらのコード進行を契機に様々なKeyに転調していることがわかります。

他にも「Autumn Leaves」もツーファイブワン進行が主体の楽曲となっていますね。この場合は、平行調であるKey:B♭とKey:Gmを行き来しているような形になっています。

(それを転調というのかは微妙なのですが…)

ミックスナッツ / Official髭男dism

ポップスでもこういった手法は見られます。先程も紹介したミックスナッツのBメロでは、このツーファイブワン進行を駆使することによって自由自在にKeyを変化させています。


この場合、完全4度上の転調になっており、少し唐突な感じもしますが、ツーファイブワン進行で明確にKeyを提示しているので、これはこれで違和感なく聴けてしまうというのがあります。

GIRLS’ LEGEND U /ウマ娘プリティーダービー

この楽曲も、ツーファイブワン進行を使用してKeyを行き来しており、目まぐるしい楽曲展開になっています。

これも転調としては、全音下(-2)になっていますが、解決先のメジャーコード(Bmaj7)をそのままマイナーコード(Bm7)に変化させることによって、ツーファイブワン進行に繋げており、わりとスムーズに聴こえます。

プラチナ / 坂本真綾(菅野よう子)

プラチナという楽曲も、Aメロでツーファイブワン進行を使用して転調しています。

この場合は、もとのKey:D(#2)の同主調であるKey:Dm(♭1)に転調しているとも考えることができ、これもメジャーコードをマイナーコードに変化させることで、ツーファイブワン進行につなげています。

これにいたっては、Gm7がサブドミナントマイナーであるため、よりスムーズに転調に成功させているといえます。

次の小節では、さらに、ツーファイブワン進行を使用して、もとのKey:Dに戻るという展開を繰り出しています。

もともとこの楽曲は、部分転調がかなり多いですが、ここでもツーファイブワン進行が活躍しているということになります。

シル・ヴ・プレジデント / P丸様。

この楽曲もサビの中間部分にツーファイブワン進行が使用されており、楽曲の調性をうまくコントロールしています。

これは、冒頭に紹介した平行調を行き来するパターンともいえるのですが、メロディが、Fハーモニックマイナーになっているため、よりマイナー感を演出する音使いとなっています。

平行調の調性コントロールは、どうしても同じように聴こえてしまうので難しいのですが、メジャーとマイナーを見事に行き来しているなかなか面白い例だといえます。




ということで、こういった例からも、ツーファイブワン進行というのは、単純な終止形コードとしての役割としてだけでなく、②楽曲の一時的な転調を担うコード進行にもなっているといえそうです。

まとめ


いかがでしたでしょうか。


今回は、ツーファイブワン進行について2つの側面から見てきました。ジャズだけでなく、どのジャンルにおいても非常に重要なコード進行だといえるので、ぜひ、参考にしてみてください。


では!

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だっとさん
ピアノ、ギター、作曲をする音楽家。ポップス、ロック、アニソン、ボカロなどの楽曲分析、音楽理論、DTM、ギター機材関連の情報を発信! Youtubeでも動画配信しているので見てね!

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