コード(和音)理論

万能コード!?『dim(ディミニッシュ)』の使い方~ヒット曲を例に使用方法を紹介していく〜

今回は、dimコードについて解説していきたいと思います。

初心者の方には、馴染みのないコードかもしれませんが、非常に色々な使い方が出来るコードです。この記事では、実際の使用方法と成り立ちについて解説していきたいと思います。

では、さっそくいきましょう。

dimコードとは?

早速ですが、dim(ディミニッシュ)についてみていきましょう。非常に変わった響きがする強烈なコードです。


コード構成音を見ると、全ての音が短3度の等間隔になっているコードです。



したがって、コード構成音を入れかえるだけで4つのdimコードが出来上がります。これら4つのコードは同じグループの仲間。


よって、12音÷4つ=3グループできることになります。このシンメトリーな規則性がdimの特徴です。これを覚えておくとかなり演奏しやすいコードになりますので、参考にしてください。

※3和音と4和音がありますが、機能的にはほとんど似ているので、ここではあまり区別せずに紹介したいと思います。2つの違いについては他の記事で詳しく解説したいと思います。

dimコードの使用方法

dimコードの使い方は本当にたくさんあるので、基本的には楽曲の中で学んでいくのがいいですが、dimコードの代表的な使用方法として2つ紹介しておきます。

ドミナントコード(〇7)の代理

まずは、ドミナントコード(〇7)の代理コードとして使用できるということです。 実は、dimコードは「ドミナント(〇7)のルート音を省略したコード」という考え方ができるんですね。


例えば、E7というセブンスコードを考えてみます。そこからルート音を取っ払ってみましょう。すると、3和音のコードができあがりますね。これがdimコードです。



例えば、F→E7→Amというコード進行をみてみます。どこかで散々聴いたことのあるようなコード進行ですが、このE7の代わりにG#dimを使用してみましょう。


特に違和感はありませんね。したがって、dimコードは、ドミナント(〇7)の代理コードとして使用することができます。これがdimコードの代表的な使い方となります。

パッシング・ディミニッシュ

もう1つがパッシング・ディミニッシュというもの。要は「とりあえずコードとコードの間に挿入しとけ!」というやつです。


ポップスでめちゃくちゃよく使用されるのが、G→Am(Ⅴ→Ⅵm)というコード進行に、G#dimを挿入するというパターン。


例えば、 F→G→Amというコード進行にdimコードを挿入してみましょう。




ベース音が上行していく高揚感に満ちたコード進行の出来上がりです! めちゃくちゃ馴染みがありますよね。これが、ポップスでのdimの使い方の典型例です。


もちろん、#Ⅴdimだけでなく、Ⅰ→Ⅰ#dim→Ⅱm、Ⅱm→#Ⅱdim→ⅢmなどもOKです。

使用されている楽曲

ポップスでは頻出コードなので、本当に色々な楽曲で使用されていますが、いくつか有名楽曲をピックアップして紹介します。

ひまわりの約束 / 秦基博

まずは『ひまわりの約束 / 秦基博』です。これは、さきほど紹介したⅤ→#Ⅴdim→Ⅵmのパターンで、聴き馴染みのある響きなのではないかと思います。

Don’t Look Back In Anger / Oasis

さらに、洋楽の『Don’t Look Back In Anger / Oasis』です。メロディに対して1小節まるまる使用されているので強烈なサウンドになっています。これもさっき紹介したパッシング・ディミニッシュの例です。

紅蓮華 / LiSA

こちらは『紅蓮華 / LiSA』のサビ部分です。これは、ドミナントの代理コードとして使用されています。本来は、Bm→C→B7→Emという流れなのですが、B7の代わりにD#dimを使用することでコードが上行していく高揚感を演出できます。

Lemon / 米津玄師

これは少し変わったパターン。米津玄師の「Lemon」ですね。解決先のコードのようなイメージでdimが使用されていますね。

「帰れない〜」という否定的な歌詞で不穏な響きが演出されており、dimの響きにぴったりだと思います。 一方、最後はBメジャーコードが使用されていて明るく対照的な響きになっているのも面白いです。歌詞も「私の光〜」という前向きな言葉になっています。

雨とカプチーノ / ヨルシカ

こちらは「雨とカプチーノ/ヨルシカ」で。この楽曲もかなり珍しいパターンで使用されています。

サビの”キメ”の部分で連続してこのコードが使用されていますよね。解決先のコードとしてdimコードが使用されていて変わったサウンドがしていると思います。

まとめ


いかがでしたでしょうか。


今回は、dimコードについて紹介しました。馴れない人もいるかもしれませんが、かなり色々な場面で使用できるコードなので積極的に使ってみてください。


参考になれば幸いです。


では!

ABOUT ME
だっとさん
ピアノ、ギター、作曲をする音楽家。ポップス、ロック、アニソン、ボカロなどの楽曲分析、音楽理論、DTM、ギター機材関連の情報を発信! Youtubeでも動画配信しているので見てね!

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