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「U-フレット」「楽器.me」「Chordwiki」はどれが良い?〜コード進行サイトの違い・活用方法の考察〜

コード進行サイト「Uフレット」「楽器.me」「Chordwiki」。手軽に多くの楽曲のコード進行 が閲覧できるので楽器をやっている人は多くの人が知っているのではないでしょうか。


これらのコード進行紹介サイトについて「結局、どれが良いのか、どう違うのか、どう活用すればいいのか?」


今回は、これらの疑問について考えてみたいと思います。

コード進行サイトの活用方法

今回は一部の例としてKing Gnuの「白日」を考えてみたいと思います。例えば楽曲冒頭の部分。井口さんの歌声もあいまってハーモニーがすごく美しいですね。


この部分に関して各コード進行サイトではこのようになっています。それぞれ微妙に違うコードになっていますね。特に、D♭の次にCm7 or Cm7(♭5)コードに違いがありますね。

  1. U-フレット:|D♭ |Cm7(♭5) |F7 |B♭m |
  2. 楽器.me:|D♭ |Cm7 |F7 |B♭m |
  3. Chordwiki:|D♭▵9 |Cm7 |F7(♭9) |B♭m7 |


そこで「どのコード進行を使って演奏するか」を考えた時に取りうる選択肢としては以下のようなものが考えられるのではないでしょうか。

① 多数決でコード進行を選ぶ
② 自分の耳で聴いてそれっぽいのを選ぶ

 

多数決でコード進行を選ぶ

まず多数決で選ぶというのが意外に多いのではないでしょうか。これは日常でもよくしようされるのでまぁ筋が通っている気がします。

この場合、「楽器.me」「Chordwiki」がCm7コード、「U-フレット」がCm7(♭5)コードになりますので、「Cm7が2票の過半数!ということでCm7で弾くのが無難」ということになるかと思います。


私が聴いてみた限りでもおそらく「Cm7」が正しいと思います。「あれっ?違うサイトがあるじゃないか、おかしいじゃないか!」と思うかもしれません。

では、なぜこうなるのか?


それは楽曲のキー:D♭メジャーを考えた時にCm7(♭5)というコードはD♭メジャーダイアトニックコードの一種であり、音楽理論的にはリーズナブルで分かりやすいからでしょう。


間違っているからどうこうではなく、すこし聴きとりにくい箇所の場合は、コードを採譜した人の「影響を受けた楽曲、楽器経験、音楽理論、音源環境…」が少なからず入り込むわけなのです。「U-フレット」は一番アクセス数が多そうですが、採譜する人によってはこのような要素が反映されてしまうことがあるわけですね。



なので、コード進行サイトを活用するうえで、これらのことを念頭に置いておくのは非常に重要なことだと言えます。

自分の耳で聴いてそれっぽいのを選ぶ

さきほどの理由を考えると「自分の耳で聴いて選ぶ」というのが一番しっくりくる&納得のいくものではないでしょうか。仮に自分の耳で聴いてCm7(♭5)だと解釈したならそれでOKだということです。

確かに音源ではCm7を弾いたかもしれませんが、特別な理由として「完コピ」を目指さない限りは、自分の耳で確認したコード進行で弾くのがベストだと思います。音楽が上達していくにつれてコ―ドを認識する精度はあがってくると思いますので。


つまりコード進行紹介サイトはあくまで参考程度に考えておくのがいいかと思います。「必ず自分の耳で確認する」そして「自分の耳で聴いたコードを信じて演奏する」こういったプロセスを大事にした方がいいと思います。

コード進行サイトの特徴・比較

では、次はBメロ部分を見ていきましょう。サビ前の盛がりの部分になります。この部分についても各コードサイトを見てみるとこんな感じ。

  1. U-フレット:|G♭ |Gm7(♭5) |A♭ |F7 |
  2. 楽器.me:|G♭ |E♭/G |A♭ G♭/B♭ |Cdim F |
  3. Chordwiki:|G♭▵7 |E♭7/G |A♭ G♭ |Cm7(♭5) F7 |


「U-フレット」は4コードのみでシンプル。一方、「楽器.me」「Chordwiki」では細かくコードが書かれています。特に「Chordwiki」では4和音が多用されている傾向にありますね。

今回はKing Gnuの「白日」をとりあげていますが、他の楽曲を見てもザックりとこのような傾向だといえるでしょう。(参考程度にしてください)

コード進行サイト比較

  1. U-フレット:コードが簡易化されている印象。ギターで弾きやすいコード。
  2. 楽器.me:「U-フレット」と「Chordwiki」の中間くらい。
  3. Chordwiki:細かい部分までコードが記載されている。弾き手にとっては難易度が高い傾向。


細かくコードが採譜されているほどきらびやかで凝った印象になりますが、難易度は高く演奏しにくいものとなります。逆に、シンプルなコードの方がわかりやすくてアレンジも自由にできると言えますね。


結局どのコード進行サイトが良いか?

これらの理由から、「結局、どれが良いのか?」ということに関しては、最終的に「自分がどう演奏したいか」によると思います。

弾き語りなのであれば、歌を聴かせたいので、伴奏はシンプルなコードの方がいいかもしれません。一方、バンド演奏であれば多少凝った演奏ができるかもしれませんよね。


こういったことから「どのコード進行サイトが良いか?」という問いに対しては「自分がどういった演奏をしたいか」という点で選んでいくと良いのかなと思います。一概にどのコード進行紹介サイトが正しい&良いものであるかというのは難しく必要に応じて使いわけるというのが良さそうですね!

まとめ



いかがでしたでしょうか。


今回はコード進行サイトについて考えてみました。一概にどれが正しい&良いというのはいえないので、この記事で述べたことを念頭に置いて参考程度に使用すると良いのではないでしょうか。


参考になれば幸いです。


では!


ABOUT ME
だっとさん
ピアノ、ギター、作曲をする音楽家。ポップス、ロック、アニソン、ボカロなどの楽曲分析、音楽理論、DTM、ギター機材関連の情報を発信! Youtubeでも動画配信しているので見てね!