今回は「春泥棒 / ヨルシカ」のコード進行、音楽理論の解説です。あまりにも春を感じる美しい楽曲だったので取り上げてきたいと思います!
ギタリストに人気のアーティストですね。楽曲からも独特の雰囲気を醸し出すアーティストですが、何か秘密があるのでしょうか。
では、いきましょう!
楽曲のコード進行
この楽曲のキーは「Fメジャー」ということで♭1つになっています。では、順番に見ていきましょう。
Aメロのコード進行
Aメロのコード進行はこのようになっています。いろいろなコードが使用されていますが、基本的には「Ⅳ→Ⅴ→Ⅵ」というダイアトニックコードに沿った進行になっています。
この曲は非常に爽やかですね。この雰囲気を醸し出している1つの要因がここで使用されているB♭add9というコードです。これは通常のB♭コードに9th(ド)の音が付け加えられたコードになります。
ギターを使用した楽曲でよく使用されるコードでもありますが、非常に爽やかな雰囲気。真夏の積乱雲のような爽やかさを感じますね。
Bメロのコード進行
Bメロのコード進行です。ここもそれほど難しくないコード進行。分数コードが使用されていますが、「Ⅱ→Ⅲ→Ⅳ」というダイアトニックコードに沿った進行です。
ここでも楽曲の爽やかさを演出する要因を発見。それは、Csus4コード。このコードは、通常のCコードの「3rd音が半音上がって4th(ファ)」になっているコードですよね。
コードの性質を決定するうえで最重要といえる3rd音が変化しているわけですから、コードとしては、非常に曖昧な”つかみどころのない”印象になります。Bメロの最後でも使用されていますね。それはまるで空に浮かぶ雲のよう。まさに、浮遊感満載なコードが使用されているわけです。
爽やかさを演出する2つのコード
ということで、これまで紹介してきた「○add9」と「○sus4」というコードがこの楽曲の爽やかさを演出しているわけです。青空を飛んでいるかのような印象ですね。
このようなコードをよく使用するアーティストが「BUMP OF CHICKEN」です。このような雰囲気が好きな方はぜひ参考にしてみてください。
サビのコード進行
次はサビのコード進行。これもコード進行自体は難しくありませんね。「Ⅳ→-Ⅴ-Ⅵ」という順次進行になっています。この曲は一貫してこの上行進行になっていますね。
サビのポイントは「メロディがすべてペンタトニックスケール」で作られているということです。
ペタトニックスケールというのは、メジャースケールの4thと7thを省いた『ヨナ抜き音階』といわれるスケールで、非常にキャッチーなフレーズが作れてしまうという特徴があります。
ヨルシカといえばペンタトニックスケール!?
このペンタトニックスケールはヨルシカの楽曲の特徴の1つでもあります。ギターでよく使用されるスケールということもあり、作曲者(n-buna)の背景が垣間見えますね。
ギタリストに人気のアーティストというのもこの理由が大きいと思います。
他にもペンタトニックスケール多用されている楽曲は「だから僕は音楽を辞めた」「言って。」「藍二乗」などなど..。これこそがヨルシカの真骨頂という感じです。
ついつい癖になるブルーノート!
続いて、サビで印象的な部分が「おっく〜uh〜uh」という部分。この音は「ブルーノート(Bule note)」というもの。ジャズやブルースで多用される音で「メジャースケールの♭3rd音」がブルーノートになります。
ここの部分は非常に癖になりますよね。最近、流行りの「うっせぇわ/Ado」でも紹介しているので参考にしてみてください。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
今回は、ヨルシカについて紹介してきました。爽やかさを演出する「○add9」「○sus4」。キャッチーさを演出するペタトニックスケールということで、これはヨルシカの楽曲の特徴にもなっていますので参考にしてください!
参考になれば幸いです。
では!
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