コード進行・楽曲分析

おしゃれコード進行の定番!『Just The Two Of Us 進行』について解説する。

おしゃれコード進行の定番の『Just The Two Of Us』進行です。

なぜかわからないのですが、近年、本当によく見かけるコード進行になってきました。少し浮遊感がするというかエモい感じがするんですよね。その辺の理由についても話してみたいと思います。


では、いきましょう!

動画でも解説しています。

Just The Two Of Us進行とは?

Just The Two Of Us 進行の由来


Just The Two Of Us進行とはどういった進行なのでしょうか。早速ですが、コード進行は以下の通りです。



非常にシンプルなコード進行ですね。洋楽のGrover Washingtonの『Just The Two Of Us』という楽曲で使用されているためにこう呼ばれるようになりました。

ジャズやファンク、R&Bで良く使用されていたのですが最近ではポップス&アニソンなど多くのジャンルに使用されています。


聴くと「あぁ~これね。」となるコード進行だと思います。日本だと椎名林檎の『丸の内サディスティック』で有名なので「丸サ進行」などと呼ばれたりもしています。

Just The Two Of Us 進行が、”おしゃれ感”を生み出す理由

おしゃれコードとして親しまれているJust The Two Of Us進行。

一体なぜなのでしょうか。主に2つの理由があります。もう一度コード進行を確認してみましょう。和声的な解釈もいろいろ記入しました。

①Ⅲ7→Ⅵm7の平行調ドミナントモーション


ディグリーで考えると「Ⅳ▵7→Ⅲ7→Ⅵm7→Ⅴm7→Ⅴm7→Ⅰ7」という進行になっており、Ⅲ7にセカンダリードミナントが使用されているのが特徴的な部分です。

Ⅲ7からⅥm7へとドミナント―モーションしていますね。この部分が平行調(Aマイナー)への転調感を一気に加速させる部分であり、これによって楽曲がメジャーキーかマイナーキーか曖昧(=浮遊感が生まれる)になります。


②Ⅳ▵7が醸し出す強いメジャー感


①の理由とは裏腹に、小節冒頭でⅣ▵7が強いメジャー感を演出しています。 さらに小節終わりでツー・ファイブ・ワン進行を持ってきているため、繰り返した時のメジャー感がより強調される形となっています。

Ⅳ▵7はサブドミナントの代表格コード。メジャースケールの特性音である4度の音をルートに持つコードなのでパァ~とした明るい印象(神聖というか…)が特に強いです。

これもあいまってコード進行の中にメジャー&マイナー感が交互に現れ、浮遊感が出るということです。


Just The Two Of Us 進行の派生パターン

上記で紹介したコード進行は基本形です。楽曲ではこれが少し変化して登場するのがほとんどです。いくつかの派生パターンを紹介したいと思います。

基本形

これが基本形です。このコード進行で何よりもまず重要なのがⅢ7→Ⅵm7のセカンダリードミナント部分です。これはあとで紹介するどの派生パターンでも継承されています。


派生パターン①

後ろのGm7が省略されるパターンです。ツーファイブワン進行にならないので、次のⅣ▵7に対するつながりは弱まっていますが、これでも十分です。


派生パターン②

3和音パターンですね。4和音に比べると強くはっきりした響きになるのでポップスやアニソンなどのジャンルで使用されることが多く、力強い印象が出ます。


使用されている楽曲の一覧

昔からよく見かけるコード進行ですが、近年は、ポップスでも本当によく使用されるようになりました。

特に、アップテンポの曲と組み合わせるのが見かけます。16ビートや高速リフですね。少しエモい感じを演出する傾向にあるからなのではないでしょうか。

〇 キラーボール / ゲスの極み乙女
〇 愛を伝えたいだとか / あいみょん
〇 I Love… / Official髭男dism
〇 TAKARAJIMA(宝島)/ THE SQUARE
〇 東京事変 / 絶対絶命


〇 夜に駆ける / YOASOBI
〇 脳裏上のクラッカー / ずっと真夜中でいいのに
〇 うっせぇわ / Ado

〇 キリトリセン / GUMI(40mP)
〇 恋愛裁判 / GUMI(40㍍)
〇 メーベル / Flower

など….

まとめ


いかがでしたでしょうか。


おしゃれコードで定番のJust The Two Of Us進行。シンプルな曲で非常に使用しやすいのではないでしょうか。

聞いてみたらわかるのですが、非常にインスピレーションを生みやすい進行でメロディをのせるのも難しくないです。ぜひ、作曲などにも取り入れてみてください!


参考になれば幸いです。



では!

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だっとさん
ピアノ、ギター、作曲をする音楽家。ポップス、ロック、アニソン、ボカロなどの楽曲分析、音楽理論、DTM、ギター機材関連の情報を発信! Youtubeでも動画配信しているので見てね!