今回は、話題の楽曲について見ていこうかなと思います。
Ado新曲「逆光」「新時代」「私は最強」について
映画「ONE PIECE FILM RED」の公開に際して、Adoの新曲が3曲配信されました。それぞれの作曲者は以下のようになっており、著名なアーティストが楽曲提供していることがわかります。気合い入ってますね。
・新時代:中田ヤスタカ
・私が最強:大森元貴(Mrs.GREEN APPLE)
・逆光 :Vaundy
今回は、これらの楽曲についてコード進行や特徴などについて見ていこうかなと思います。
楽曲の構成について
各楽曲のKeyは以下のようになっています。
雰囲気としては「私は最強」は、ポップ色の強い明るいロック系、「逆光」に関しても、ギターサウンドを主体としたロック色の強い楽曲になっていると思います。
「新時代」に関しては、シンセサイザーを存分に使用した楽曲となっており、サウンド面に関しても作曲者の個性がみられる楽曲だと感じます。
・新時代:Key = G Major(E minor)
・私は最強:Key = E Major
・逆光:Key= D♭Major (B♭minor)
楽曲構成としては、転調などは特にありません。「新時代」と「私は最強」は冒頭歌メロから始まっており、この辺は近年のトレンドを意識して作られたものなのかなと思います。
Ado新曲の特徴やコード進行について
コード進行についてですが、いずれの楽曲もダイアトニックコードを主体としていますし、随所に複雑な転調もありませんので、非常にポップな印象に仕上がっていると感じます。
「私は最強」の特徴・コード進行
「私は最強」についてのコード進行を見てみると、基本的には、ダイアトニックのメジャーコードを多用した進行になっています。
この楽曲は特にMrs.GREEN APPLE色が強いと感じます。恐らく、これは代表曲である「青と夏」に非常によく似た曲調になっているからだと思います。
ブラスやストリングスセクションを組み込んだアレンジは勿論なのですが、KeyがともにE Major(#4)ということになっていますし、BPMも両方とも190付近のアップテンポということで、コード進行や楽曲展開もかなり寄せる感じで作られていると思います。
例えば、サビのコード進行は「青と夏」のAメロと同じコード進行になっています。
さらに、Bメロからサビへの展開なのですが、借用和音における♭Ⅵ→♭Ⅶ(個人的には、マリオ進行、アニソン終止などと呼んでいますが…)の流れから瞬間ブレイクを経由してサビに突入します。この辺の展開も非常によく似ています。
この部分については、短6度跳躍からの♭Ⅶコード構成音の2度反復ということで、メロディラインも似ているかと思います。
個人的に、2番のBメロで3拍子になるところが面白いなと思ったので、この辺についてもピックアップしておきます。
これについては、一部の楽曲で見られる手法であり、詳しくはこちらの記事を参考にしてみてください。
「新時代」の特徴・コード進行
「新時代」については、基本的には4コードのループでゆったりした展開になっており、洋楽っぽいコード進行になっています。
この辺のコードワークは中田ヤスタカっぽいですね。
コード進行はかなりシンプルですが、ポップスではあまり使用されないコード進行になっていますね。
例えば、Aメロは6123進行、Bメロは4526進行、サビは246進行になっており、ポップスらしい雰囲気を感じないと思う方も多いのではないかと思います。
アレンジ面に関しては、イントロのパーカッションフレーズは「ONE PIECE」の世界観を連想させますし、シンセサイザーの音色は現代チックな音色というよりは、80年代のYMOなんかに似た感じもありますので、この辺は逆の意味で”新時代感”が出ているのではないでしょうか。
「逆光」の特徴・コード進行
この楽曲はブルーノートが目立つという印象がありました。例えば「東京フラッシュ」では、ブルーノートがよく使用されており、ここに”気怠さ”とか”ラフさ”みたいなものが出ていると思います。
Vaundyは「東京フラッシュ」「不可抗力」「踊り子」のようなR&B風のマイナー調の楽曲に反して、「怪獣の花唄」「花占い」などのポップなテイストの楽曲もあり、かなり多彩な楽曲を作るアーティストなのではないかと思います。
この楽曲については、イントロ等のギターサウンドが印象的です。コード進行についてはかなりシンプルですので、ザ・ロックサウンド!という感じの楽曲に仕上がっていると思います。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
今回は、Adoの新曲についてサラッとみてきました。いずれも作曲者の特徴が垣間見える楽曲になっていて面白いなと感じました。
参考になれば幸いです。
では!
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