スケール(音階)理論

メロディックマイナー(Melodic Minor)の特徴と使用楽曲について~Melodic minor scale in the song~

今回はメロディックマイナーについて見ていきたいと思います。

メロディックマイナーとは?

今回は、メロディックマイナーについてです。これはポピュラー音楽では割りと馴染み深く、The Beatlesの「Yesterday」という楽曲の冒頭で使用されています。

「Yesterday All my trouble… 」

マイナースケールとして以下の3種類がありますが、メロディックマイナーも主音に向かう音に特徴があります。

・ナチュラルマイナー(Natural minor, 自然的短音階)

・ハーモニックマイナー(Harmonic minor, 和声的短音階)

・メロディックマイナー(Melodic Minor, 旋律的短音階)


クラシック音楽の慣習として、上行スケールをメロディックマイナー、下降スケールは、ナチュラルマイナーというのがあります。

例えば、バッハの「半音階的幻想曲とフーガ」の冒頭部分を見てみると、確かに上行スケールには第6音と第7音に臨時記号がついており、下行ではナチュラルマイナースケールとなっているのがわかります。


ショパンの「Ballad No.1」でも上行スケールではメロディックマイナースケールが使用されており、やはり、クラシックではこのような慣習があることがわかりますね。


メロディックマイナースケールでは、第6音と第7音が半音上がった音階になり、ハーモニックマイナーと比較すると癖がなくなって扱いやすくなったと考えられます。

これがメロディックマイナーが「旋律的短音階」といわれる理由でもあります。

そういうわけもあってか、「ドレミの歌」や「およげ!たいやきくん」などの楽曲にも使用されており、ポピュラー音楽では割りと耳にする響きなのかもしれません。

音階としては、第3音に♭がつくだけなので、マイナースケールというよりは、メジャースケールに近く、覚える際はこちらの方が覚えやすいのかもしれません。

ダイアトニックコードが変化

スケールが変化するので、ダイアトニックコードももちろん変化します。メロディックマイナーでは、5番目のドミナント(Ⅴ、Ⅴ7)の解決感はそのままに、加えて、2番目のコードが通常のマイナーコード(m、m7)になるという特徴があります。従って、ツーファイブワン進行がⅡm7→Ⅴ7→Ⅰmという形になることが多いです。

The Beatlsの例を見てみても。

このような例は「白日 / King Gnu」の冒頭部分でも見られており、コードだけを抜きとってみると、メロディックマイナーからの引用と考えることができます。

「時には誰かを、知らず知らずの…」

ジャズでも結構大事なスケール?

ジャズでも頻用されるというのはあります。例えば、ジャズスタンダードで有名な「Automn Leaves(枯葉)」という楽曲でも部分的に使用されており、このような例は割とたくさんあります。

さらに、メロディックマイナースケールから派生するスケールとして、ジャズでよく使用される「オルタードスケール(半音下から始める)」や「リディアン7th(4番目から始める)」のようなスケールがあります。


ポップスではこのような考え方はあまりしませんが、このような背景も含めてジャズではよく使用されるという認識があるのではないかと思います。

使用楽曲について

日本のポピュラー音楽においても、これらの音使いは使用されることはよくあります。

パプリカ / 米津玄師

米津玄師のパプリカに使用されていることは有名かと思います。Bメロでもサビでも使用されています。転調しますが、いずれもマイナーキーのドミナントコード(Ⅴ7)が使用されていると考えられ、そのコード上でメロディックマイナーが使用されているとういえます。

Bメロ「見つけたのは…」  サビ「パプリカ….」

何か不思議な雰囲気がするのはそのせいかもしれません。

サウダージ / ポルノグラフィティ

ポルノグラフィティの「サウダージ」という楽曲です。もともと、ポルノグラフィティはラテン系の雰囲気がするのですが、このような音使いによるものといえそうです。

「いつかまた、会いましょう…」

この辺は、こちらの記事でも書いたことがあるので参考にしてみてください。

硝子の少年 / Kinki kids

少し昔の楽曲なのですが、Kinki Kidsの「硝子の少年」という楽曲にも使用されていました。

「覗き込めば…」

サビの前の部分ですね。確かにポルノグラフィティと同様に民族的な雰囲気を感じる楽曲かもしれません。

タッチ / 岩崎良美

これも少し昔の楽曲ですが「タッチ」という楽曲です。サビの最後の終止フレーズとして使用されており、ナチュラルマイナーとは違う明るさみたいなものを感じます。

「手を伸ばして、受け取ってよ….」

第6音と第7音をメジャースケールと同じにすることによって、楽曲終わりの希望感みたいなものが演出されているのではないかと思います。

まとめ


いかがでしたでしょうか。


今回は、メロディックマイナーについて見てきました。ポピュラー音楽ではよく使用されているということで、使用用途は案外広いのではないかと思います。

参考になれば幸いです。


では!

ABOUT ME
だっとさん
ピアノ、ギター、作曲をする音楽家。ポップス、ロック、アニソン、ボカロなどの楽曲分析、音楽理論、DTM、ギター機材関連の情報を発信! Youtubeでも動画配信しているので見てね!

COMMENT

メールアドレスが公開されることはありません。

CAPTCHA