コード(和音)理論

五度進行を繰り返すだけの楽曲について〜五度圏を活用したCycle Progressionの魅力〜

今回は、コード進行の話をしていきます。

五度進行を繰り返すだけの楽曲

今回は、五度進行というものについて考えてみたいと思います。これは、完全5度下(完全4度上)のコードに進行するというもの。次のコードに対する推進力が強いため「強進行」とも呼ばれます。


川が流れるように重力に従った自然な流れとされ、音楽において重要な概念として認識されます。

一方、五度圏をみてみると、こちらは”反時計回りに進行する”ということで、時の流れとは逆行しており、自然の摂理とは少し食い違っているようにも感じます…。


まぁそんなことはさておき、世の中には、これらの五度進行を繰り返すいわゆる「Cycle Progression(サイクル・プログレッション)」と呼ばれるコード進行を活用した楽曲があります。

例えば、Stevie Wonderの「Isn’t She lovely」という楽曲。これはKey:EにおいてG#→C#→F#→B(Ⅲ→Ⅵ→Ⅱ→Ⅴ)という具合に五度下のコード進行が繰り返されています。

ポップスでは、藤井風「きらり」のサビでも同様のコード進行が用いられています。


さらに、ポルノグラフィティの「メリッサ」の冒頭にも、五度を繰り返す進行が使用されており、これはマイナーキーにおけるCycle Progressionの例だと考えられます。

Cycle progressionは、ただ5度進行するだけだと、自然に転調してしまうため、F(Ⅳ)の次は、増4度進行<F→Bm7(♭5)(Ⅳ→Ⅶ)>して、Keyのダイアトニックコードに着地するパターンがよく見られます。

ポルノグラフィティの楽曲でいうと「サウダージ」の冒頭にも使用されており、このアーティストはこのコード進行をよく使用すると言えそうです。

4〜8小節に渡る長い例を紹介しましたが、これをさらに細分化していくと、6251進行などもCycle Progressionの一部だと考えられ、これらのコード進行は、もはや日常的に見かけるのではないかと思います。

これらの楽曲というのは少しおしゃれに聴こえるという特徴もあり、これがCycle Progressionの響きの特徴なのではないかと思います。

ジャズにおける使用について

5度進行を繰り返すようなコード進行は、ジャズにおいて重宝され、このような背景もあっておしゃれに聴こえるのかもしれません。例えば「Fly me to the moon」「枯葉」など。

「Fly me to the moon」のメロディラインを見てみると、前半と後半の音使いが似ていますね。後半では長3度下を推移して類似したメロディラインになっており、部分的に移調したようにも感じます。

このような傾向は、すでに紹介した「メリッサ」でもみられます。

規則的なコード進行を繰り返しているため、メロディラインも規則的なものにでき、モチーフを活用しやすいというのも特徴の1つなのではないかと思います。

五度進行の楽曲例

すでにいくつか紹介しましたが、他のポップスでの例についても紹介しておきます。

行くぜっ、怪盗少女! / ももいろクローバーZ

Bメロで雰囲気が変化する印象がありますね。Key:CでCycle progression が使用されています。

夜咄ディセイブ / じん

このⅡmからはじまる例は「夜咄ディセブ」のBメロでも見られますね。

Can You Keep a Secret? / 宇多田ヒカル

宇多田ヒカルの楽曲は、マイナーキーにおける主和音(Ⅵm)からCycle Progressionが始まるパターンで、増4度進行がKey:Emにおけるドミナント(Ⅴ)の前に発生するパターンです。

会いたくて会いたくて / 西野カナ

これも先ほどの例と同じになります。Key:Fmと考えると、主和音から開始してドミナントで折り返すというパターンですね。

Cycle Progressionはどこから始めるか?

ここまでの例を見ると、様々なコードから始まるように見えますが、よく使用されるパターンは限られていることがわかります。

それが、ディグリーにおけるⅡm、ⅢmあるいはⅥm(マイナーの主和音)から始めるパターンです。まとめるとこのようになります。

5度進行が始まるパターン

Ⅱmから始まる:「メリッサ」「ミックスナッツ」「行くぜっ!怪盗少女!」「夜ディセブ」

Ⅲmから始まる:「Isn’t she lovely」「きらり」

Ⅵmから始まる:「サウダージ」「Can you keep a Secret?」「会いたくて 会いたくて」「Fly me to the moon」 「枯葉」


Ⅱm、Ⅲmから始まるパターンは、メジャー調の楽曲で使用されることが多く、メジャーにおいて使用する場合は、ここから始めるのがいいかもしれません。

マイナー調の楽曲の場合は、マイナーキーにおける主和音(Ⅵm)から始めるパターンが圧倒的に多いです。これは、パートの譜割り的にドミナントコード(Ⅴ7)が8小節目に来るので、次の折り返しに繋げやすいということが考えられますね。

まとめ


いかがでしたでしょうか。

今回は、Cycle Progressionという規則的なコード進行についてみてきました。ジャズからポップスまで様々なジャンルにおいて使用されるコード進行だといえそうです。


参考になれば幸いです。


では!

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だっとさん
ピアノ、ギター、作曲をする音楽家。ポップス、ロック、アニソン、ボカロなどの楽曲分析、音楽理論、DTM、ギター機材関連の情報を発信! Youtubeでも動画配信しているので見てね!

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