コード(和音)理論

○add9(アドナインス)の使い方を使用楽曲とともに紹介する〜○sus2、○9との違いなど〜

今回は、add9というコードについて見ていきます。

add9とは?

add9(アドナインス)というコードについて見ていきます。

響きとしては非常に爽やかできらびやかな印象がありますね。ちなみに、ギターで弾くとこんな感じ。


なぜこのコードをギターで紹介したかというと、ロックサウンド系で多く、その中でもこのコードを語るのに欠かせないアーティストがいるからです。

それが、BUMP OF CHICKENというアーティスト。ギターをコピーしたことのある人ならわかると思うのですが、このアーティストのサウンドは「add9」でできているといっても過言ではないです。

https://www.youtube.com/watch?v=x9S9oygUEW0

例えば、「車輪の唄」の冒頭部分。


さらに、「ダイアモンド」「乗車券」「プラネタリウム」「ロストマン」。最近だと「アカシア」など。使用されている楽曲はかなり多いですね。


コードをかき鳴らすだけではなく、アルペジオ(分散和音)なんかでも非常に近未来感のある美しいサウンドになります。例えば、有名なファイルファンタジーの「Prelude(プレリュード)」ですね。

この楽曲なんかは、add9の構成音があらゆるコード(Cadd9、Amadd9、Fadd9など…)で分散和音として使用されているだけの楽曲になります。たったこれだけなんですが、非常に世界観を感じる印象的な楽曲になっているのがわかると思います。


こういったサウンド感が「add9」の特徴になります。ただ、やはり、ポップスではギターを主軸としたバウンドサウンドで印象深いコードになります。

〇add9、〇9、〇sus2の違い

コード構成音だけパっと見ておきましょう。コード構成音は「Root、3rd、5th、9th」となっており、メジャースケールにおける2番目の音であるD音を追加した形になります。

この手の話は、細かいのであまり重要ではないのですが、「add9」「○9」「○sus2」との違いについて触れておこうと思います。


「add9」というのは、文字通り”付け加える”という意味なので、3和音にD音(9thの音)を付け加えたコードになります。

一方、「○9」というのは、”付け加える”という性質は同じなのですが、4和音のコードに付け加えるという形になります。したがって、両者の違いは、7thがあるかないかという違いになりますね。

最後の「sus2」というのは、”吊り上げる(引っ張る)”という意味なので、メジャーコードの3rd(E音)がD音に変化するということになります。

従って、sus2には、3和音における3rdの音がありませんし、厳密にいうとトップノートにD音がくることはありません。

ただこの辺は、実践的にはあまり意味がないので、厳密にとらえる必要はないというのが持論です。

例えば、ギターで一般的に「add9」と認識されているコードには3rdの音が入っておらず、実際に「Csus2」の構成音です。または、D音がトップよりに来ているので、add9の3rdが省略されたコード「Cadd9omit3」という認識になります。


ということで、ちょっと細かいですよね。なので、ポップスでは厳密な区別はされていないように思います。

ちょっと話が逸れましたが、これらが「add9」「○9」「sus2」の違いになります。

add9の使用楽曲

では、これらのコードの使い方を使用楽曲とともに見ていきましょう。基本的にはメジャーコードでもいいのですが、”味付け”としてadd9を使用するという使い方が多いです。

ドライフラワー / 優里

最近の楽曲だと優里の「ドライフラワー」がこのサウンドを使用した楽曲になります。イントロの初っ端のコードで「Cadd9」が使用されています。

なんでもないや / RADWIMPS ☑

BUMP OF CHICKENと似たサウンド感としてRADWIMPSがあります。もちろん昔の楽曲もそうなんですが、最近のこの楽曲ではサビ部分の初っ端にこのサウンドが使用されています。

これに至っては、Badd9の次のコードもC#sus4コードとなっていて、爽やかコードのダブルパンチみたいなコード進行になっています。

盗作 / ヨルシカ☑

この辺のサウンドを意識するとやはり「ヨルシカ」も多いですね。「盗作」という楽曲では、冒頭のピアノでこのadd9の響きが使用されています。


他にも、様々な楽曲で使用されているかと思います。

シャルル/ バルーン

ボーカロイドでいうと、「シャルル」のイントロがそうです。ギターアルペジオとしてこの響きが使用されています。

カタオモイ / Aimer

この技法とよく似ているのは、Aimerのカタオモイですね。これもフィンガーピッキングのニュアンスで楽曲冒頭に使用されています。

staple stable /戦場ヶ原ひたぎ~化物語

アニソン界隈では、化物語OPである「Staple stable」が有名です。イントロから空間系エフェクトが効いていて非常に爽やかな印象になっています。

まとめ


いかがでしたでしょうか。


関連するものを芋づる式にパッと紹介してきましたが、これについては他にも本当にたくさんの楽曲があると思います。

楽曲を見ていくと、やはり基本的にはメジャーコードでもいいのですが、”味付け”としてadd9を使用するという使い方が多いのかなと思います。

コードとしてじゃ~んと鳴らすと「あんまり変わんなくね?」と思うかもしれませんが、サウンド全体の雰囲気でみるとやはり違ってくる部分がありますね。


ぜひ、皆さんの好きなadd9サウンドを教えていたいただければと思います。



参考になれば幸いです。



では!


ABOUT ME
だっとさん
ピアノ、ギター、作曲をする音楽家。ポップス、ロック、アニソン、ボカロなどの楽曲分析、音楽理論、DTM、ギター機材関連の情報を発信! Youtubeでも動画配信しているので見てね!

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