今回は、ゼロから学ぶ音楽理論ということで、初心者にもわかりやすく音楽理論の基本的な部分を解説したいと思います。
この記事を読めば、音楽理論の登竜門(?)と呼ばれる「ダイアトニックコード」まで分かりやすく網羅できるようになっています。
では、いきましょう!
なぜ、ダイアトニックコードまでなのか?
まず、音楽理論において「ダイアトニックコード」までを理解することのメリットについて話させてください。実践的な観点に落とし込むとこんな感じですね。
・基本的なコードがわかるようになる(弾けるようになる)
・楽曲の耳コピの手がかりになる
・演奏の際のコード暗記が楽になる
・簡単な作曲ができるようになる
音楽理論は個人的には”必須である”だとは考えていませんが、様々なメリットが感じられることは確かです。要は『音楽をやるうえで便利!』ということです。
ダイアトニックコードはコスパ最強?
では、なぜダイアトニックコードまでなのかというと、私の経験上「ダイアトニックコー
ド」までが、学ぶ労力と得られる対価のコスパがいいからです。
実際、ダイアトニックコードを知ったときは世界が違って見えました。まるで、鬼の首をとったような感覚です。音楽の新しい楽しさなんかも見えてきましたね。
なので、初心者の方でもひとまずここまでは覚えておくといいと思ったわけです。では、本題に入りたいと思います!
音楽理論解説の構成
全体像をみてみるとこんな感じです。この順番でいくとダイアトニックコードについて理解しやすいです。全部で6パート。では、順番に見ていきましょう。
① 音の呼び方
② 音程(インターバル)
③ 音階(スケール)
④ コード(和音)とは何か
⑤ ダイアトニックコード
⑥ ダイアトニックコードの名前
① 音の呼び方
まずは、音の呼び方について触れておきます。国によっていろいろな呼び方がありますが代表的な3つを紹介します。
音楽の世界では、これらの呼び方が混在しているので、その場その場で自分で翻訳していかないといけません。日本だからといって、『ハ、ニ、ホ…』だけ覚えておけばよいというものではないのがやっかいですね。
また、演奏する楽器によっても傾向があります。ギタリスト界隈では専ら英語名が使われますし、ピアニストは、その人の背景(クラシック、ジャズ…)によってマチマチです。ですが、基本的には、ここで紹介する「英語、日本語、イタリア語」を覚えておくといいか思います。
② 音程(インターバル):音と音の間隔
次は、音程(英語:Intarval、インターバル)という概念について見ていきましょう。これはめちゃくちゃ簡単です。要は、『音と音の間隔』のことです。
例えば、ドから隣の音のド#までの間隔を『半音』離れているといいます。気を付けないといけないのが、「ミとファ」や「シとド」の間も半音離れているということです。、まぁ、すぐ隣り合ってますからね。
一方、これがドからレの場合は『全音』離れているということになります。ここも気を付けないといけないのが、「ミからファ#」も全音離れているということです。
これだけなのですが、音楽ではこの音と音の間隔というのが非常に大事。というのも音楽は、音の連続や重なりが集まって成り立っているからですね。
これによってメロディやコードの響きが決まってきます。なので、音楽理論では「音と音がどれくらい離れているのかなー。」ということを考えるのが非常に重要になってきます。
また、音楽の世界では音程の間隔にそれぞれ専門的な名前がついていて、それをまとめると以下のようになります。
ここでは、そこまで重要ではありませんが、覚えておくとより理解が進みますので参考にしてください。
③ 音階(スケール):音の並び
次は、音階(英語:Scale, スケール)についてです。先ほど、音楽理論では、音の間隔が重要だと言いましたね。そこで、複数の音を”ある間隔”にしたがって順番に並べたグループが音階(スケール)というものです。
一番有名なのは「ド・レ・ミ・ファ・ソ・ラ・シ・ド」というスケールですね。ピアノの場合、すべて”白健で弾ける”ということになります。
これらの音の間隔を調べてみると、「全音、全音、半音、全音、全音、全音、半音」という間隔になっていますね。
この規則に沿って並べたものを特に“メジャースケール”と呼びます。ここでめちゃくちゃ重要なポイントは、どこから始めても、”この間隔”であればメジャースケールだということ。
例えば、レ(D)から始めた場合、メジャースケールは「レ・ミ・ファ#、ソ、ラ、シ、ド#、レ」になりますので、音自体は異なりますがメジャースケールということになります。
これも「全音、全音、半音、全音、全音、全音、半音」という間隔になっています。
順番に聴いてもらうと確かに、すべて 「ド・レ・ミ・ファ・ソ・ラ・シ・ド」 に聴こえると思います。したがって、この順番であれば、C音から初めたときは、Cメジャースケール、D音から初めたときはDメジャースケールです。
「基本に忠実に。」という言葉がありますが、こと音楽においては、みんなこぞってこればっかり使うので、基本というより”音楽の中枢”みたいな感じになっています。
例えば、これを使ってメロディを作ってみてください。めちゃそれっぽいのができあがると思います。
もちろん他にも色々なスケールが考えられるのですが、まずはこの音階をうまく使いこなせる&理解できるようになることが、音楽家としての第一歩ではないかと思います。
※なぜ、メジャースケールを「全・全・半・全・全・全・半」という具合に並べたかということですが、数学や物理的な話が関わってくるので少し難しいです。興味のある人はこちらの記事で解説していますので参考にしてみてください。
④ コード(和音)とは何か?
前回の音階を知ったことで、それっぽいメロディが弾けるようになったというのはわかるかと思います。
では、コード(和音)という概念についてです。これを認知しているか否かが音楽をやっている方とそうでない方の最大の違いだと思います。
メロディというと、楽曲の歌の部分なので、馴染み深いと思いますが、コードというと裏で鳴っている伴奏の部分ですからね。意識しない限り、認知されることは、まぁありません。
例として、さっきのメロディにすこしコードを付けてみました。
どうでしょうか。コード(和音)というのは何かというと「複数の音を重ねたものです」。これによって単音とは違う響きが得られます。(ぼやっとした感じ?)
「音を重ねたらなんかいい感じじゃね?」というのは、歴史的にはけっこう最近の出来事で16~17世紀くらいの話です。それまでは、メロディ(単音)をうまく連ねることで音楽を作っていました。
それが、18世紀頃から本格的な和音の探求が始まったということです。(ラモーという音楽家が『和声論』という本を発表しました)バッハとか有名ですよね。
それからというものの、コードというのがあまりにも素晴らしいので、今となっては、クラシックからジャズ、ロック、ポップスに至るまでコードを主体として楽曲をつくるのが主流になっています。
じゃあ「どうやって音を重ねたらええのん?」というのが次のダイアトニックコードのお話ということになります。
ダイアトニックコードとは?
では、最後のダイアトニックコード(英語:Diatonic Chord)についてです。これは「どうやって音を重ねたらよいのか?」という話なのでコードの核となる部分となっています。
したがって、これを知れば、コードの基本的な部分はほぼOKということになります。
では、これどうやって重ねればいいのかというのはすごく簡単。「スケール内の音を1つ飛ばしで重ねる」だけです。
「は?これだけ?」と思う人もいるでしょう。本当にこれだけです。
たとえば、Cメジャースケールだと、「ド・レ・ミ・ファ・ソ・ラ・シ」という具合に並んでいますから、1つ飛ばしで重ねると、ド・ミ・ソというコードが出来上がります。
なんともそれっぽい感じ。聴いたことのある響きがします。
では、次また1つ飛ばしで「レ・ファ・ラ」というコードを作ってみましょう。そうするとまたそれっぽいコードが出来上がります。
これを続けていくと全部で7つのコードが出来上がりますよね。これが俗にいう『ダイアトニックコード(Diatonic Chord)』というやつです。
では、こいつの何がすごいのかというと、「テキトーに組み合わせても、それっぽい音楽が出来上がる」という点です。やってみると、なんか聴いたことがあるような曲が出来上がっていますよね。これが『ダイアトニックコード』というものです。
ダイアトニックコードの名前
ダイアトニックコードにはそれぞれ名前がついています。それがこちら。
英語については、基本となる音の名前(C、D、E、F…..)がついています。それから何もついてないものは、メジャーコード≒明るい響き。mという文字がついているのが、マイナーコード≒暗い響きです。
これらがどのように分類がなされているのかというと、響きもそうなのですが、もう一つ、『コードの音と音の間隔』が関係しています。
「ド・ミ・ソ」というのは、音の間隔としては長3度(全音+全音)、完全5度の間隔です。他にも「ファ・ラ・ド」、「ソ・シ・レ」がそうなっていますよね。
一方、「レ・ファ・ラ」というのは、短3度(半音+全音)、完全5度の間隔です。これは、「ミ・ソ・シ」、「ラ・ド・ミ」がそうなっていますよね。
また、「シ・レ・ファ」というのは、すこし特殊で短3度 (半音+全音) 、減5度 (半音+全音) の間隔です。なので一風変わった特殊な名前がついています。
さらに、これをローマ数字で呼ぶという文化があります。これについては、単純に出来上がった順番に数字をつけるだけ。
これらがダイアトニックコードというやつらで、世の中のだいたいの楽曲はこれを使用して作られています。
それは、”ありきたり”ということではなく、中枢のような存在だからですね。多少、アレンジしてもいいけど、やっぱり中枢は残しておいた方がいい。
これさえわかっていれば、音楽理論の内容はなんとなーく理解できるようになりますし、作曲もかなり容易になるかと思います。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
今回は、音楽理論の基本についてザッと解説してきました。あとは、もう応用編みたいなものです。色んなコードを扱えるようになりたい!という人の足掛かりになればと思います。
参考になれば幸いです。
では!