スケール(音階)理論

近年ヒット曲のペンタトニック・スケールの使用〜エモいメロディ不可欠の要素?~


今回は 、楽曲のメロディについて見ていきたいと思います。

流行りメロディ必須の響き?

楽曲において最も重要な要素の1つがメロディです。このサイトではコード進行の話題が多いですが、やはりメロディは外せないですね。(メロディについては、なかなか分析しづらいのも要因としてあります..)

そこで、近年の流行りメロディに不可欠な響きの1つが「ペンタトニック・スケール」です。例えば、Tiktokに代表されるショートムービーで話題となった「ヨワネハキ feat 和ぬか,asmi / MAISONdes」という楽曲が印象的です。

これらのプラットフォームで人気の楽曲というのは「親しみやすい」ことが重要であり、ある種シンプルな響きのペンタトニック・スケールは好まれる傾向にあるのかもしれません。


この楽曲はAメロからサビまで全てペンタトニック・スケールでできており、かなり一貫性のある楽曲構成となっています。

(本題とはズレますが、リズム的な”キメ”が多いというのも特徴の1つだと思います)

ペンタトニックの音楽的な性質

ペンタトニック・スケールというと、民謡や懐メロ楽曲として使用される傾向にあるため、親しみやすいというのがあります。

◆ 蛍の光 / 民謡

◆ 夏祭り / Whiteberry

さらに、もっと深い話をすると、ペンタトニックは音階の性質上、「半音隣の音」がないという特徴がありますね。


この半音隣の動きというのは、音楽において、グッとくる部分や抑揚をつけるために必要不可欠なのですが、ペンタトニックはあえてその要素を取っ払ってしまったスケールになります。


その結果、言葉では言いずらいのですが「カラッとした印象になる」というか「水っぽい感じがなくなる」ような気がします。

これが、親しみやすい要素の1つなのではないかと思います。そこで、今回はこれらの響きが使用されている近年のヒット曲について紹介していきたいと思います。

近年で使用されている楽曲

阿修羅ちゃん / Ado

この楽曲はサビでペンタトニック・スケールを駆使した楽曲です。最後のキメの部分のみにスケールにはない音であるC音(#5th)が使用されているという感じ。


Aメロではペンタトニック・スケール、Bメロでバリバリ4thと7thの音が使用されるという展開になっているため、メリハリのある楽曲展開になっています。

メロディもストレートに感じるので、非常にノリやすい楽曲だといえそうですね。

Sugers / Orangestar

Oreangestarの「Sugers」という楽曲。これもペンタトニックの響きです。

この楽曲はAメロから全てペンタトニックスケールで構成されており(音数が凄まじく多多いので経過音的なのものはあるかもしれませんが…)、ペンタトニック特有のエモい&切ない感じが出ている楽曲ではないかと思います。

春を告げる / yama

この楽曲もサビが全てペンタトニック・スケールです。Key:F#(Key:D#m)ということで、メロディは黒鍵で全て弾けてしまうというのも面白い点かもしれません。

題名のない今日 / 平井大

この楽曲は、Aメロからサビでペンタトニックス・ケールが使用されています。どこか包み込まれるような安心感・民謡的な雰囲気がするのはそのせいかもしれません。

楽曲で唯一ペンタトニックスケール以外の音が使用されるのがサビ最後の”キメ”の部分です。ここにミ(4th)の音が使用されており、ここぞという部分で半音の動きが使用されています。

だから僕は音楽をやめた / ヨルシカ

このサイトでは何度も登場しているヨルシカ。このアーティストはペンタトニックスケールを多用するアーティストの1人です。この楽曲も最後の部分だけに、導音の響きを持ってきています。

藍二乗 / ヨルシカ

他にも、藍二乗という楽曲。これもサビはすべてペンタトニックスケールでできています。これも、Key:F#(Key:G♭)ということでメロディは全て黒鍵だけで弾けてしまいます。他にも、春泥棒など。使用されている楽曲はたくさんありそうですね。

まとめ

いかがでしたでしょうか。

今回は、近年の楽曲についてペンタトニックスケールを見てきました。

やはり、切ないとかエモい感じの楽曲によく合うスケールですね。是非、いろいろ使ってみてください。


参考になれば幸いです。


では!

ABOUT ME
だっとさん
ピアノ、ギター、作曲をする音楽家。ポップス、ロック、アニソン、ボカロなどの楽曲分析、音楽理論、DTM、ギター機材関連の情報を発信! Youtubeでも動画配信しているので見てね!

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