コード進行・楽曲分析

藍二乗 / ヨルシカ【コード進行分析】


今回は、ヨルシカの藍二乗です。
爽やかな曲ですね。テンポがかなり速いので演奏には練習が必要かと思います。


では、いきましょう!



キー:G♭メジャー
(♭5つ)

イントロ(前半)


ギターのアルペジオの部分。
Capo4で弾いていると思います。


1~8小節目:E♭m7→C♭add9→D♭sus4→D♭
C♭add9やD♭sus4といった浮遊感のあるコードが使用されています。
○add9や○sus4コードはテンションを付加した豊かな響きを持つコードです。

響きの特徴としては、煌びやか、爽やかといった感じですね。
この曲の爽やかな雰囲気を演出している要因だと考えられます。


イントロ(後半)



リードギターのフレーズが印象的な部分。

1~4小節:E♭m7→C♭add9→D♭sus4→G♭add9
Ⅵm→Ⅳ→Ⅴ→Ⅰの小室進行です。定番コード進行ですね。
テンションが付加されていますが、基本的には同じです。

Aメロ



4~8小節目:A♭m7→B♭m7→C♭add9→D♭sus4
ベースラインが、スケールに沿って上行していきます。
高揚感というか、曲の高まりを演出することができます。


Bメロ



10小節目:B♭7
ここはセカンダリ―ドミナントです。
サビ前のコードにはドミナントセブンス(○7)が使用されることが多いです。

ここのB♭7は、サビでの転調感を演出する効果があります。
このアプローチはサビでの盛り上がりを演出するためによく使用される手法です。以下に説明しておきます。

①キー:G♭メジャーの平行調はキー:E♭マイナー
②サビ前にB♭7コードを持ってくることによってキー:E♭マイナーのように感じさせる。
③本来ならサビのキーはE♭マイナーなのだが、実際にはそうではない。
④サビではキー:G♭メジャーなので転調した感を演出することができる。


※サビ前に一瞬だけ、E♭マイナーに転調したと考えることができます。



サビ



7小節目:Cdim
ここのCdimは経過音です。パッシングディミニッシュと呼ばれます。
前後のコード進行をスムーズにする役割があります。

楽曲のアレンジでは扱いやすい手法で、ポップスでは頻用されています。


17~18小節目:E♭m→D♭sus4→C♭add9→B♭m7
サビの最後の2小節ですね。ベースラインがスケールに沿って下降していく進行です。
これは弱進行と呼ばれる進行です。案外、使用されない珍しい進行です。


※2題目にはこの部分はありません。注意してください。
 (省いて間奏に入る。)

Bメロ②



2題目のBメロです。
異なるところは9小節目のみです。


9小節目:Fm7(♭5)
2題目のBメロはFm7(♭5)となっています。
これは次のB♭7に向かうためのコードです。

キー:E♭マイナー感を演出するためのⅡm(♭5)→Ⅴ7進行となります。
(ツー・ファイブ進行です。)


間奏



「人生は、妥協の連続なんだ…。」の間奏部分です。
最後の小節が印象的なコード進行ですね。


17~18小節目:E♭7sus4→Daug→D♭→Cdim→G♭sus4/C♭
印象的な部分ですね。
無理やりコードを付けた感があるので参考までにしてください。

フレーズの構造としては単純です。
メロディとベースラインが規則性をもってハモっています。

メロディライン:A♭→G♭→F→E♭→D♭(スケールに沿って順番に下降。)
ベースライン:E♭→D→D♭→C→C♭(半音ずつ下降。)


※『だから僕は音楽を辞めた』の間奏でもこのアプロ―チが使用されていました。作曲者の特徴が出ているフレーズだと思います。
だから僕は音楽を辞めた/ヨルシカ 【コード進行分析】



19~20小節目:G♭/B♭→B♭7
分数コードが使用されています。これは前の小節の流れを受けています。
ベースラインが半音ずつ下行してきた着地点です。

B♭7はセカンダリードミナントです。
このコードを使用している意図としてはBメロの時と同様です。

ラストサビ(前半)



ラストサビ(前半)全体:
コード進行はサビと同様です。

ラストサビ(後半)


「た~だ、た~だ…」の部分。

8小節目:E♭m7
この部分でテンポが変化しています。
E♭m7を強調することで、転調している感を演出していますね。



アウトロ



17~18小節目:E♭m7
曲の最後の小節です。
最後をE♭m7で終わることで特殊な終止感を演出しています。

曲のキーを把握するとき、曲終わりのコードで判断する場合が多いですが、騙されてはいけません。

※E♭マイナーはG♭メジャーと平行調なので、間違ってしまってもそれほど問題はありません。

まとめ



いかがでしたでしょうか。


この曲のポイントは ○add9や○sus4といった浮遊感のあるコードを使用して、爽やかな雰囲気を演出していることです。

曲作りやアレンジの際に非常に参考になるのではないでしょうか。
個人的には大好きな雰囲気です。



参考になれば幸いです。


では!

 

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だっとさん
ピアノ、ギター、作曲をする音楽家。ポップス、ロック、アニソン、ボカロなどの楽曲分析、音楽理論、DTM、ギター機材関連の情報を発信! Youtubeでも動画配信しているので見てね!