音楽理論

音楽における五度圏の活用と解説

音楽における五度圏の活用

五度圏というのは音楽的な理論を図にしたものであり、全ての音楽家がこれを部屋の壁に貼って眺めているものではありません。

ただ、ここに隠れている音楽的な法則は、ある程度知った上で音楽活動を行っている人は多いはずです。もちろん「理論なんかよく知らない」という音楽家はいますが、経験的には体得していると言っていいでしょう。

または、理系の化学系出身の人間が「数学はできない」と言うのと似たようなもので、普段使いする分には知っているが、専門的に深くは知らないというのが言語化したパターンもあるでしょう。

まぁそんなところで、今回は、五度圏のその辺をざっと紹介しておきます。

ダイアトニックコード

まずはダイアトニックコード(Diatonic Chord)。これは、ポピュラー音楽に携わるうえでは必須項目です。

この動画でよく出てくるローマ数字(ディグリー表記)やコード進行などもこの理論に紐づきます。

これを五度圏でみると、楽曲のKeyとなる音をトップとしてぐるっと囲まれている7つの英語がダイアトニックコードと呼ばれる仲間達です。

大文字はメジャーコード。小文字はマイナーコードとなります。これらにローマ数字を書き込むとこの通り。

例えば、ポップスでよく知られる王道進行(4536進行)というのは、Ⅳ-Ⅴ-Ⅲ-Ⅵという順番でコードを並べたものになります。

楽曲のKeyが変化しても、図における関係性は変わりません。例えばKey:Eにしてみると、7つの英語は以下のようになります。



ここで、もう一度、Ⅳ-Ⅴ-Ⅲ-Ⅵという順番で弾いてみると、確かに王道進行の響きがするのがわかると思います。Keyにおけるダイアトニックコードを瞬時に把握するには便利だといえそうです。

Keyやコードの関係性

五度圏というぐらいなので、規則に従って英語が並んでいます。右回りが5度(完全5度上)で左回りが4度(完全4度上)の関係です。

Keyに関しては、これらに従って調号増えていき、右回りが#+1、左回りが♭+1となります。

前述したダイアトニックコードと合わせると、調号を参照することによって、使用するコードがよくわかるようになります。

さらに五度圏上で隣あった位置に存在するKey同士のことを近親調と呼びます。

これらは関係の深い調で、向かいあったものが「平行調」、隣同士は「下属調」、「属調」と呼ばれます。

特に「平行調」は重要で、これは調号も同じになりますし、囲まれているコード群も同じになります。つまりは、ダイアトニックコードを共有していることがわかると思います。

コード構成音など

五度圏は幾何学的にも面白い特徴があります。例えば、コード構成音のそれぞれの間隔が全て同じであるdim、augを描いてみると、正方形、正三角形という規則的な形になります。

これは、Cdim、Adim、F#dim、E♭dimの構成音が同じ事を表しており、これらのコードは転回形でも響きがほぼ同じになることがわかると思います。

これは、augでも同じ。Caug、Eaug、F#augの構成音が同じことを表しているということになります。

さらに、対角線に位置するコードを裏コードといいます。これは、ドミナントコードの代理として使用できるコードでトライトーンの2音を共有しているコード同士になります。

まとめ


このように、五度圏というのは音楽理論的な要素がいろいろ把握できる図となっており、作曲などにも必要な理論を学べるツールとなるかと思います。

参考になれば幸いです。

では!

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だっとさん
ピアノ、ギター、作曲をする音楽家。ポップス、ロック、アニソン、ボカロなどの楽曲分析、音楽理論、DTM、ギター機材関連の情報を発信! Youtubeでも動画配信しているので見てね!

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