定番進行の1つである『王道進行』です。これもカノン進行と並びかなりよく使用される進行です。
Jpop、アニソン、ボカロでかなり頻繁に使用され、非常にキャッチ―なメロディを作るのに向いており、ヒット曲を量産できる進行ともいわれています。まさに「王道」なのです。
シンプルなコード進行でもあるので、使い勝手が良いです。この辺についても紹介していきたいと思います。
では、いきましょう!
王道進行とは?
王道進行とはどういった進行なのでしょうか。早速ですが、コード進行は以下の通りです。
4536進行ですね。4コードでできているのでとてもシンプルです。音楽プロデューサーの亀田誠治さんは、このコード進行を「小悪魔コード進行」と名付けて紹介していました。「これさえ知れば色々な楽曲を弾けるようになる。」ということで、少し”ズルい”進行としての比喩表現だと思います。
楽曲では特に曲のサビで使用されることが多く、「ここぞ!」というときのインパクトのあるフレーズに使用すると効果抜群です。
王道進行が、”王道”である理由
王道進行が”王道”たる理由とは何なのでしょうか。主に2つの理由があります。
【王道進行】
① 明るい&暗い響きが聴き手を翻弄
この進行の特徴は、Ⅳ→Ⅴ (F→G)のサブドミナント→ドミナントという流れで、そのままⅠ(主和音、C)に進行すると思いきや、暗い響きのするⅢm→Ⅵm(Em→Am)につながるという点です。高揚感を感じさせながらも、焦らされるという何ともいえない感覚を作りだすコードなんですね。
また、コード進行の中で、明るい&暗い響きが両立するので、聴くものを翻弄する力があるんですね。この辺は、Just the Two Of Us進行とよく似た部分があるのではないでしょうか。
② 循環コードとしての実用性
この進行のもう1つの特徴として「循環コード」であるということが挙げられます。続けようと思えば半永久的に繰り返すことができる…。そのため、サビなどではもっぱら王道進行だけが使用される例が多いです。それでも聴き手に「飽き」を感じさせないんですね。これが王道進行の使い勝手の良さのもうひとつの理由です。
ちなみに、終わらせるためには最後に251進行(ツー・ファイブ・ワン進行)を持ってくるとしっくり終わらせることができます。
王道進行の派生パターン
上記で紹介したコード進行は基本形です。実際の楽曲では、少し変化して登場することになります。いくつかの派生パターンが存在します。
基本形
これが基本形です。これでも十分ですが、ダイアトニックコードが使用されているだけなので、少し使い古された印象もあります。
派生パターン①
Emコード(Ⅲm)の部分をセブンスコード(○7)にしたパターン。セカンダリードミナントと呼ばれるものですね。これによって一気にドラマティックな印象になります。いわゆる”泣きのコード”へと変貌するのです。
派生パターン②
これもⅢmコードの部分を変化させて、dimコードにしたパターン。Ⅲ7とコード構成音がほぼ同じなので、本質的には派生パターン①と似ているのですが、ルート音が異なっているので受ける印象がだいぶ異なります。エモい&もの悲しげな感じが強調されたような気がします。
派生パターン③
最後にGコードを付け足した形ですね。王道進行を繰り返し使用する場合に効果的です。ベースラインがFコードに向けて下降していくので、次のコードのつながりがスムーズになります。
使用されている楽曲の一覧
使われている楽曲を紹介します。Jpop、アニソン、ボカロまで幅広い楽曲に使用されていますね。あまりに多すぎるので順番に一覧にして紹介します。
Jpop
〇HANABI / Mr.Children
〇ロビンソン / スピッツ
〇Love So Sweat / 嵐
〇Fragile / Every Little Thing
○全力少年 / スキマスイッチ
○瞳をとじて / 平井堅
○気まぐれロマンティック / いきものがかり
など…
アニソン
○God knows… / 涼宮ハルヒ
○Don’t say Lazy / 桜高軽音部師
〇 ニワカ雨ニモ負ケズ / NICO Touches the Walls
○儚くも永久のカナシ / UVERword
○運命のルーレット廻して / ZARD
○白金ディスコ / 阿良々木月火
など..
ボーカロイド
〇みくみくにしてあげる / ika
〇ルカルカナイトフィーバー / Samfree
〇六兆年と一夜物語 / kemu
〇ドーナツホール / ハチ
○夕景イエスタデイ/じん(自然の敵P)
など…
まとめ
いかがでしたでしょうか。
王道進行はかなり便利で応用も効くので覚えておくといいです。どれも名曲ばかりです。楽曲の「ここぞ!」というところでぜひ使ってみてください。
参考になれば幸いです。
では!
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