今回は、Official髭男dismのノーダウトです。1枚目のシングル曲、メジャー初の曲です。テレビドラマ『コンフィデンスマンJP』の主題歌にもなっていました。ポップな中に少しおしゃれな雰囲気がありますね。
では、いきましょう!
キー:Dメジャー
(♯2つ)
イントロ
1〜3小節目
印象的な冒頭部分ですね。臨時記号があるので、少し怯んでしまいますが、それほど難しくありません。このフレーズには♭3rdと♭13thの音が使用されています。特に♭3rdの音はブルーノートと呼ばれ、メジャースケールに付け足すことによって、ブルージーなニュアンスを出すことができます。
この曲ではイントロ以外にも、このブルーノートが多用されています。これが、この曲の雰囲気を形作っている要因の1つです。
※マイナースケールの場合は♭5thの音がブルーノートになります。別々に覚えなくても、平行調の関係が成り立ちます。
4〜7小節目
Bm7→Em7→Em7/A→D△7→A/C#:Ⅵm7→Ⅱm7→Ⅱm7/Ⅴ→Ⅰ△7→Ⅴ/Ⅶ
循環進行が基になっています。循環進行とは、6251進行とも呼ばれ、ずっと繰り返していても問題ない(対して違和感がない)コード進行として、ジャムセッションなどで多用される進行です。
この曲では、この進行を少し変化させて使用されています。
この曲の循環進行:Bm7→Em7→Em7/A→D△7→A/C#
Em7/Aコード:
分数コードです。このⅡm7/Ⅴは、Ⅴコードの代理コードとして使用できる代表的な分数コードです。もともとはⅡm7→Ⅴ→Ⅰ進行だったのを、ベース音だけ変化させてⅡm7→Ⅱm7/Ⅴ→Ⅰにしたのが始まりです。
A/C#コード:
この分数コードは、Ⅰ→Ⅵmというコード進行があったときに、その間に挿入される形で使用されることが多いです。ベースラインが順番に下降していくことになり、コードの流れがスムーズになるからです。
Ⅰ→Ⅴ/Ⅶ→Ⅵm(間に挿入して、ベースラインをスムーズに。)
Aメロ
1〜4小節目
Bm7→Em7→Em7/A→D△7→A/C#:Ⅵm7→Ⅱm7→Ⅱm7/Ⅴ→Ⅰ△7→Ⅴ/Ⅶ
循環進行がひたすら繰り返されて楽曲が進んでいきます。これも循環進行だからこそなせる技です。
6〜7小節目
メロディ:「ピュアも正義もあったも…」
メロディにブルーノートである♭3rdの音が使用されています。
Bメロ
1〜4小節目
Bm7→Em7→Em7/A→D△7→A/C#:Ⅵm7→Ⅱm7→Ⅱm7/Ⅴ→Ⅰ△7→Ⅴ/Ⅶ
ここも同じように循環進行が使用されています。
7小節目
メロディ:「嫌ってくれて別に…」
メロディにブルーノートである♭3rdの音が使用されています。
サビ
1〜4小節目
Bm7→Em7→Em7/A→D△7→A/C#:Ⅵm7→Ⅱm7→Ⅱm7/Ⅴ→Ⅰ△7→Ⅴ/Ⅶ
ここでもAメロとBメロ同様、循環進行が使用されています。
9~10小節目
G△7→F#aug:Ⅳ△7→♯Ⅲaug
○augコードは、コードが下降していく時によく使用されます。経過音(パッシングコード)としての役割をします。
パッシングコードとして代表的なものにdimコードがありますが、部類としてはaugコードと同じものです。
Cメロ
Cメロ全体
少し混沌としているパートです。ダイアトニックコード以外のコードが多用されており、楽曲のキーが曖昧になります。
2〜4小節目
Am7→D7(♭9)→G△7:Ⅱm7→Ⅴ7(♭9)→Ⅰ△7
ツーファイブワン進行ですね。ここで一瞬だけ楽曲のキーがGメジャーになります。この辺りを契機として、ノンダイアトニックコードが多用され、キーが曖昧になります。
6〜9小節目
Bm7→E7→A7:Ⅵm7→Ⅱ7→Ⅴ7
ここもよく見るとツーファイブワン進行の形になっています。最後のA7の部分はメジャーコードではなく、7thコードが使用されています。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
基本的には同じコード進行を繰り返し使用ています。コード展開というよりは、グルーヴ感を強調したような楽曲でしたね。
こういった曲調で頻繁に使用されるのが、循環進行です。覚えておくといいのではないでしょうか。
参考になれば幸いです。
では!