第10回目は、「キー(調)」についてです。カラオケなどでもよく耳にする言葉ですよね。楽曲という単位を考えた時、かなり重要になってくる概念ですので、理解してください!
では、いきましょう!
キー(調)の意味とは?
まず、キー(調、英語:Key)とは何かということですね。一言でいうと「楽曲で主に使用されるスケール(音階)を表すもの」です。
つまり、その楽曲のメロディ、フレーズ、コードの元となっているスケール(音階)を表すものです。ちなみに、楽譜でいうと下図の部分のことを「調号(Key Signature)」といいます。「キー(調)を表す記号」ということですね。
たいていの場合、作曲を始めるときには「何のスケールを使おうか…」ということを考えるんですね。作曲する際の指針のようなものです。
(もちろん、スケールなんて意識していない方もいますが、その場合は”無意識”のうちに決めているという感じになります。)
したがって、キー (調)というのは「楽曲」という単位を考えたときに重要になってくる概念になります。
キー(調)と #、♭の関係
では、キーと#、♭はどういう関係になるのでしょうか。これは使用されるスケールを考えたときに「#、♭がいくつ付くか」で決まっています。
例えば、Cメジャースケール「ド・レ・ミ・ファ・ソ・ラ・シ」を使用した楽曲では、すべて白鍵を使うので、♯、♭ともに何もつきません。この場合、楽曲のキーは「Cメジャー(ハ長調)」ということになります。
〇春がきた(一部抜粋)
では、Gメジャースケール「ソ・ラ・シ・ド・レ・ミ・ファ#」を使用した楽曲はどうなるか。この場合は、#が1つ付くことになりますので、この楽曲のキーは
「Gメジャー(ト長調)」ということになります。
〇にんげんっていいな(一部抜粋)
※わかりやすくするため、楽譜の調号は省略しています。
また、Fメジャースケール「ファ・ソ・ラ・シ♭・ド・レ・ミ」場合は♭が1つ付くことになるので、この楽曲のキーは「Fメジャー(ヘ長調)」ということになります。
〇まっかな秋(一部抜粋)
※わかりやすくするため、楽譜の調号は省略しています。
これがキーと#、♭の関係です。スケールとかなり密接に関係しているのがキー(調)という概念です。スケールを考えた時の#、♭の数が重要になってきます。
キー(調)の一覧
では、キー(調)の#、♭についてまとめておきましょう。全部で12個のキーが存在します。これらを使いこなせるようになることが、作曲はもちろん、楽器の演奏を上達するうえでかなり重要になります。
ちなみに、日本語表記では「#(シャープ)=嬰」、「♭(フラット)=変」といいます。
#(嬰)キーの一覧
♭(変)キーの一覧
キー(調)を変更するとどうなるか?
では、最後に「楽曲のキー(調)を変更するとどうなるか。」ということです。
極論を言うと「あまり変わりません。」もちろん使用する音自体が異なるので雰囲気は変化しますが、きっちり楽曲として成り立ちます。
キーがGメジャーの楽曲をキー:Fメジャーに変更した場合の例を聴いてみましょう。楽曲としてはあまり変わらないことがわかると思います。まずはキー:Gメジャー(ト長調)を聴いてみましょう。
次は、キー:Fメジャー(ヘ長調)に変更した楽曲です。
ぶっちゃけ「あまり変わらない」ですよね。これがキー(調)の特徴です。変更してもそれほど影響はないのです。なので、カラオケでも自由にキーを変更して歌うことができるんですね。
あまり変化しない理由は、「スケール(音階)の基準の音が異なるだけ」だからです。
スケール(音階)の時に触れましたが、メジャースケールであれば、Cメジャースケールであろうと、Gメジャースケールであろうと、「ド・レ・ミ・ファ・ソ・ラ・シ・ド」の”ように”聴こえるんですね。これと同じことがキー(調)が変わった時にも起こっているだけです。なので、あまり変化したようには感じません。
まとめ
いかかでしたでしょうか。
キー(調)はかなり抽象的な概念なのでなかなか難しいと思いますが、かなり重要になってくるので是ぜひ覚えてください。
今回のポイントは3つ。
② キー(調)は、使用されるスケールに#、♭がいくつ付くかで決定する。
③キー(調)を変更しても、楽曲は変化していないように聴こえる。
参考になれば幸いです。
では!